気になる



「…よいしょ」


この洗濯物を干せば一段落かな

頑張ろう…


「あ、椿ちゃん!それ洗濯物?一緒に干そっか?」

「え?良いの?」

「うん!行こう!」

「うん」


日向さんと干すことになりました

最近日向さんと沢山話すようになったの


「そう言えば聞いた?」

「え?」

「この間、ファンクラブの一人の子が手首に怪我したんだって」

「…」

「何でも知らない男に強く掴まれて内出血までしたんだって…酷い事するよね」

「…そ、そうだ、ね…」


正しく聖さんだあああ…!

でも大事にならなくて良かった…ホッ


「…ふふ」

「?日向さん?」

「あ、ごめん!」

「…何か良い事あったの?」

「えっそ、そう思う…?」

「思います」

「実はね…私好きな人出来たの!」

「えー!」

「ふふ、その人ね?もう大人なんだけど凄く優しくて凛々しくて…あ!着物が凄く似合うの!この間なんて煙管買って…あ!煙管っていうのは昔の煙草みたいなものなんだって!」

「ふ、ふーん」


……その容姿…私の勘が当たっていれば…兄さんのような気がする

優しくて凛々しくて堂々としていて…確かに着物凄く似合うし煙管ふくし…

そういえば兄さんも私と同じ学校で同じ歳の子と会ったって…


(どうしよどうしよ…絶対兄さんの事だよ)

「また会えるかなぁ…若…」

「若!?」

「え…」

「…あ」

「…椿ちゃん…もしかして、若の事知ってるの?」

「え…あ、えと…け、結構有名、だし…」

「ふーん……あ、若は私が狙ってるんだから取らないでね!」

「と、取らないとらない!」

「うん」


取るとか以前に…兄妹だから一緒に住んでるし…

どうしよ…良い出せなくなった


「――詩織。さっき石田先生が呼んでたよ。仕事は後にして早く行ってきな」

「あ、うん!ごめん椿ちゃん。後お願い」

「うん」

「…」

「…幸、村…君?」

「…サボらないでちゃんとやってね」

「ぇ」


そう言い残すと幸村君も行ってしまった…私、幸村君に何かしたかな?さっきの目…冷たかった

どうしてだろう…


「椿ー!」

「あ、舞ちゃん!」

「何しとるん?」

「洗濯物」

「ほなウチも手伝うで」

「良いの?」

「うん!……あ、でも…こいつらの私物持つのとか嫌やわ」

「そんな事言っちゃ駄目でしょ」

「だって本当の事やもん」


舞ちゃんって本当にテニス部嫌いだね。なんて言えば舞ちゃんはまーね!と笑顔で言った

その笑顔怖いです


「…ねー椿」

「ん?」

「この間ファンクラブの奴の手首掴んでた人ってあれ…須川聖やろ?」

「っ…え…?な、なんで…」

「んー結構有名なんやで?桜田組幹部の須川聖はえらい物騒な男やってな…なんであんな所におったんやろな」

「さ、さぁ…私にも、分らないな」


なんで急にそんな事を言いだすのかな?舞ちゃん

心臓に悪すぎる…

なんだか、急にみんな変わった感じがしてしまう…


「そうやね!椿みたいな優しい子とは無関係やし…急にごめんね!」

「う、うぅん!」

「じゃ!ウチ待っとるから終わったら教室来てな!」

「分った!」


気のせいだよね。うん気のせい…

私は普通の女の子なんだ…学校の時でも組の事は忘れたい

後幸村君の態度にも気になった











「あーやっぱ椿先輩のお兄さんだったんすか」

「え!?まさかの二人とも知ってたの!?」

「あぁ。まぁ桜田組に行くまでは確信は出来なかったがな」

「ど、どうしよ…もし兄さんが桜田組の若頭だって知ったら…というか私の兄だって知ったら…!」

「…な、なるようになれっすよ!」

「俺にもどうしようも出来んしな」

「そんなぁぁ…」
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