初めてのお友達


「近藤さん。マネージャーやってくれないかな?」

「…え」


それが例え、自分を傷つける事だとしても

私は役に立てるなら頑張るよ。



















「椿ー放課後家具屋付き合うてくれへん?」

「あ、舞ちゃん一人暮らしだもんね」

「おん」


今年の春、私はまた別の学校へと転入した

理由は勿論家がやくざだとバレてしまったから…PTAの人に見つかっちゃって止めざる終えなかったんだ

でも新しい学校でも友達は出来たよ…一人だけだけど…でも、宝月舞ちゃんも転校生で同じ境遇同士仲良くなったの。親友とも呼べちゃうよ


「舞ー!仁王君居ない?」

「アイツなら知らん女とどっか行きおったでー」

「はぁ!?何それマジムカツクんですけど!」

「…気をつけなアカンでー。アイツはプレイボーイやさかいに」

「ぷれいぼーい?」

「純粋な椿ちゃんは分らんで宜しい」

「はい」


最近の若い子には着いていけない

そんな事言っちゃうと私が老けてるような感じになっちゃうけど…でも実際そう

最近のテレビとか見てないし…遊びだって知らないし


「椿はホンマ大人しい子やなー」

「いきなり何?」

「いいや?もう少しはしゃいでもえぇんやで?そやったら友達仰山出来るかもしれへんのに」

「私は兄さんの分まで大人しいから」


…でも兄さんはいつも静かで堂々としてる。はしゃぐ所と真面目な所を分けてる…さすが桜田組若頭

そう言うと私が大人しいのは組の人が関係してるのかもしれない

みんなは騒ぐ分、私が大人しくしようって……そのせいで友達は出来ないけど


「せやけど気をつけなアカン」

「?」

「大人しいと危ない奴に目ぇつけられるで」

「大丈夫。既に目をつけられてるから」

「え!?」

「ふふふ」

「こ、怖いわ…アホ」


この間なんて暴走族の人に挨拶されちゃったよ。"ちわーっす!"って

兄さんの顔は広すぎるから私の顔まで知られちゃった


「ウチが言うとるんは…テニス部にや!」

「テニス部?」
「そ。学校内で超モテとるレギュラーには目をつけられんようにせんとな」

「…」

「あいつ等ホンマ調子に乗りすぎやで…一編シメたろうか」

「や、止めなよι舞ちゃん」


そう言えばクラスでも凄い人気だなぁ

一番怖そうなのは真田君って人。確か桜田組にも居るなぁ…あんなに目つき悪い人


「…でも私はクラスにテニス部居ないから大丈夫だよ」

「アホ。そういう奴が狙われやすいんや!ブリッ子気取っときぃ!」

「…ブリッ子…」

「そうや。"ウチィテニス部応援出来るやなんてマジで幸せやわぁ"的に…ほら!」

「え!?…えと、わ、私ぃテニス部応援出来るなんてマジで幸せなんですけどぉ」

「なんか業とらしいなぁ」


すみません。ブリッ子なんて出来ません

……あ!分った!


「見た目恐くすれば良いよ!」

「恐く?」

「うん!…………こうとか」

「おぉ…なんやめっさ目つき悪いやん…アンタ一体何モンや」

「…た、只の女子中学生だコラァ!」

「はいはーい。いつも優しい椿が言うても恐かないで〜」「…うぅ」


やっぱり兄さん達みたく出来ないや

私が女の子だからかな?喧嘩も出来ないし…いや、喧嘩はしちゃ駄目だ

話し合いで全て解決出来れば良いのに


「それにしても…」

「?」

「椿の弁当は毎日豪勢やなぁ」

「…食べてみる?」

「えぇんか!?ほならいただきまーす!」


お弁当は家事全般を任されてる新垣薫さんが作ってくれてる

薫さん。舞ちゃんが凄く美味しそうに食べてくれてるよ。毎日美味しいお弁当有難うございます


「…うっま…めっちゃ美味いで!」

「それは良かったです」



出来ればこのまま何もなく只過ぎれば良い

でも、この後誰も想像しない出来事が待っているなんて誰も知らない


本当に大切なことってなんでしょうか?


自分?
信頼?
利用?



私達はまだ子供
でも、知らなくちゃいけないのかもしれない

もっと早く知っていれば…誰も間違えずに済んだかもしれません
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