凄く悲しいの…




「来たわね、近藤さん」

「あ、の…話って」

「決まってるじゃない。テニス部のマネージャー辞めなさいよ」

「え」


やっぱり…

でも辞めなさいって言われても幸村君からお願いされたし


「分らないの?幸村君たち迷惑がってんのよ!」

「大体転校生の癖に生意気なのよ!」

「て、転校生とか関係ないと思う」

「はぁ?」

「そ、それに幸村君たちが迷惑がってるって言っても彼から頼まれたし」

「何それ嫌味!?」

「ち、違くてっ!わ、私は日向さんのサポートとしてやってるだけだからテニス部とは話してな」


バシイイインッ

屋上に乾いた音が響いた……嗚呼、私叩かれた

叩かれた頬はジンジンと痛みだしてきた


「アンタウザイ」

「っ」

「ねぇこいつ分ってないみたいだよ?」

「やっちゃおっか」


ジリジリと近付いてくるファンクラブの子達

恐い…今までにない恐怖……嫌だ…嫌


「見ーちゃったー」

『!?』

「だ、誰だよ!」


どこからか声がして一人の子が叫ぶとその人はタンクの後ろから出てきた


「!?」


…宗助、さんだった

宗助さんは冷静でいるけど…目は怒りに満ちていた


「見ちまったんだけど俺…お前等名前は?」

「は?」

「名前はって聞いてんだよ」

「な、なんで教えなきゃいけないのよ!」

「決まってんだろ?校長に言うんだよ。テメェ等はどういう教育してやがんだってな…!」

『っ!!』

「言われて何か処分貰いたくなかったら今すぐ消えろ。そしてその人に今後手ぇ出してみろ……テメェ等の顔面潰すぞッ!」

「や、やぁあ!」

「逃げよ!!」


ファンクラブの子達は恐くなって急いで逃げていった

宗助さんが慌てて私のところに駆け寄ってきて安心しちゃって

宗助さんの胸に身を寄せた


「お嬢…!大丈夫ですか!頬腫れてるじゃねぇっすか…今すぐ保健室」

「宗助さん」

「…?」

「…同い年の子って…恐いね」

「っ」

「私年上の人の怖さしか分らなかったから今凄く恐い」

「お嬢…」


それから放課後に過ぎた

宗助さんに今日は帰ろうと言われたけど日向さんのお手伝いしなくちゃいけないから部室へ向かった


「っ?」


部室のドアに手をかけた時中から声が聞こえた

幸村君達の声だ


「"ねぇ、どう?"」

「"今日の昼休み近藤がファンクラブに呼び出された"」


っ…どうして知ってるの?

まさか…心配してくれて…?


「"ほらね?俺の言った通りでしょ?近藤さんをマネージャーに加えれば詩織は呼び出されずに済むって"」

「ぇ」

「"本当に凄ぇぜ幸村君"」

「"これで安心じゃな"」

「"近藤さんには悪いですが、これも詩織さんのためだと思って"」

「"あぁそうだな"」


な、何それ…私は…日向さんの代わり?は?

日向さんのサポートのために頼んだんじゃないの?幸村君

私は…私は、日向さんの代わりにファンクラブの子達に呼び出されるようにするために頼まれた?

…利用、された…?


「近藤先輩?」

「!…あ、なた…は」

「どうしたんすか?顔色悪いっすょ………」


確か彼は…2年の切原赤也君…?

切原君は部室を目にやると私の手を引っ張って


「先輩こっちっす」

「え、ちょっ」






兄さん、私どうすれば良いのかな?

気づかない振りをしてなきゃ駄目?
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