ファブ○ーズやったのに…




「椿…なんかあんた臭うよ」

「…昨日ドリアン貰ってゼリーにしたんだけど臭くて…」

「いやドリアンをゼリーにするなんてどんだけ勇者!?」


まだ少し臭うみたい…舞ちゃん鼻抑えてるし

折角お風呂入ったのに台無しだよ…


「もう大変だったんだよ。臭くて急いで襖開けて換気したんだけど全然臭い取れなくて」

「まぁドリアンっちゅーもんはそういうもんだし…せやけどよう貰うたなぁ」

「貰ったら断れない人居るから」


でもその後八百屋のおじさんが来てお詫びにメロン貰ったから今日のデザートはメロンゼリー

早く食べたいなぁ


「あれ?」

「どないしたん?」


下駄箱に何か入ってる

…手紙、みたいだけど


「何かな……っあ」

「どれどれウチが見てあげよう」


ビリビリと舞ちゃんが手紙を破いて中身を見た

…舞ちゃんって凄い


「…」

「どうしたの?何書いてたの?」

「椿」

「?」

「昼休み絶対屋上行ったらアカンよ」

「え?」
「…な?」

「どうしたの?私呼ばれてるんでしょ?だったら行かなきゃ悪いよ」

「悪かない!」


急に怒鳴る舞ちゃん

驚いて肩が跳ね上がっちゃった


「…ファンクラブやねん」

「え」

「テニス部のファンクラブからや…行ったら殴られるで」

「…」


殴られる

そう言えばクラスのファンクラブの子が日向さんを殴ってスッキリしたとかなんとか…

私も殴られる?


「…でも」

「?」

「行かなきゃ」

「なっ!!」

「話し合えば分るかもしれないし」

「何言うてんねん!あいつ等はヒステリックの塊みたいなもんやで!?話し合いで分る相手やない!」

「でも!人間は話し合えば必ず分かり合えるって兄さん言ってた!だから私話し合う!」

「なんやのあんたは!」

「人間だよ!」

「アホ!」


バシンと舞ちゃんに頭を叩かれた

だって…兄さん言ってたもん。兄さんは間違った事言わない…

だから話し合えば必ず分かり合えるよ…絶対…









「よぉ宝月。はよー」

「おはようさん」

「…」

「んだよ何無視してんだよ」

「…一つだけ忠告しとくわ」

「「?」」

「あんた等椿を傷つけたらウチが許さへんからな」

「は?何、言って」

「そうやって只傍観者気取っとっても罪人っちゅー事を忘れるなや」

「お前さんには関係ないと思うが?」

「関係?大いにあるわ。親友が目の前で傷つけられとったら黙っちゃおらへん」

「「…」」

「この忠告聞かへんかったらあんた等………殺すどッ」

「っ!(ゾクッ」

「…宝月。お前さん何もんじゃ?」

「ウチは只の女子中学生です…話はそれだけや」





――
――――
――――――



「…ごくっ」


大丈夫…大丈夫

話せば分かり合えるんだから…大丈夫


「…よし」


ギィッ

この日から私の戦いは始まるのかもしれない

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テーマ「人外ファンタジー」
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