「…大丈夫ですか?しょうけら様」
「……問題ない…」
(全然問題ないように見えないのですが…)
宴が終わりフラフラのしょうけら様をお部屋まで連れて行ったのですが、
お酒が苦手だったしょうけら様
しかし今夜は沢山飲んでいらした様子で…宴が終わってから飲みすぎたと言っていた
「もう、お休みになられた方が宜しいですよ」
「…しかし我々が散らかしてしまった分が」
「後の片付けは私の仕事ですので、しょうけら様はゆっくりお休みください」
「…」
立ち上がり、お部屋から出ようと襖に手をかけた時
フワッ
「っ」
「…行かないでくれ、千鶴」
「しょうけら、様…?」
後ろからしょうけら様に抱きしめられ、動けなくなった
しょうけら様に抱きしめられるのは久しぶりで恥ずかしくて顔が熱いのが分ります
…ど、どうすれば、良いのか。
「…千鶴は私の女だ」
「、はい」
「なのに…千鶴が離れてしまうのではないかと不安なのだ」
「…」
「他の者と楽しんで話すのは私も嬉しい事だ。しかし反面、それが不安になる。私を置いて行ってしまうのではないかと」
…これは…しょうけら様の本音、でしょうか?
今までしょうけら様は私に弱い所は見せませんでした
お酒の力というのは悪いものばかりではありませんね
「しょうけら様、千鶴はどこにも行きませんし離れません」
「…」
「約束したではありませんか。ずっと傍に居ますと…しょうけら様を置いてなんてどこにも行けません」
「…千鶴」
「私はしょうけら様を愛しているのですから」
「千鶴…私もお前を愛している」
例え酔っているせいだとしても私は嬉しいです
しょうけら様の本音が聞けて…
少し涼しい風が私達を通り過ぎた時、触れた口付けは一生忘れません―――
しょうけらside―
「…」
私は昨日千鶴に何をしたのだ?
全く覚えていない…しかし朝何事もなく起きて、いつも通り千鶴と会ったら
「おはようございます。しょうけら様」
「おはよう。千鶴」
「…しょうけら様」
「?」
「普段でも、もっと私に本音を言って良いのですよ」
「…は?」
「昨夜の事は私、忘れませんから」
「っ!?」
あの千鶴の表情…絶対に私は何かしてしまった…!
何をしたというんだ?まさか過ちを…!?あああああ…思い出せない!
昨日は確か千鶴が女中へと代わり、夜淀殿から宴を……何の宴だったのだ?それも思い出せないのか…!
しかし、その後酒は苦手だというのに無理やり飲まされ、茨木童子と意見が合い…何のだ?その後暴れたというのは覚えているのだが…かすかに
…あああ!しかし…!
「何蹲ってやがんだ、カス虫」
「茨木童子…昨夜の事、覚えているか?」
「昨夜だぁ?…酒飲んで寝た」
「簡潔すぎる!もっと詳しくだ!」
「…酒飲んで暴れてその場で寝た」
「…」
鬼とはこうも簡潔にさせたいのか?いくらなんでも簡潔すぎるではないか
「ぎゃはは!二人して何してんだ?」
「狂骨…!昨夜の事覚えていないか?」
「昨夜?…あ、珍しく酒飲んで宴やったな!ぎゃはは!」
「そうだ宴だ!詳しく聞かせてくれないか?」
「詳しくも何もー…そういやぁ千鶴が酌んでくれた酒上手かったなぁ!ぎゃははは!」
「…」
「あいつ女中になったんだったな」
「そんでもって茨木童子としょうけらが暴れてー」
「その後は…!」
「…」
「…」
「…」
「その場で寝たから分らねぇ!ぎゃはは!」
ガクッ!
狂骨も駄目だったか…!
誰でも良いから教えてくれ!私はどんな過ちを犯してしまったというんだ
嗚呼…これでは神に懺悔するようにも出来ぬ…
「ほう…それは良かったのう。千鶴」
「はい。酔ったせいでもとても嬉しかったです…ですが良かったのでしょうか?」
「良いのじゃ良いのじゃ。あ奴はもう少し正直にさせてやらねばならぬのじゃ。また宴を提案して今度は皆の前で正直にさせてやろう」
「…(淀殿…)」
「ほほほ」
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なんと宴の裏には淀殿の策略が…!
ラブラブ目指したかったが後から大変な事になってしまった
…この連載もあと残り2〜3話だ。長かった