「は、はっ…っ、はぁ!」

「逃ゲテモ無駄ダァァ!」


もう訳が分らない。どうして私がこんな目に…!

只…部活やって友達と寄り道して遊んで、これから家に帰ろうとしてただけなのに!


「いやぁぁ!来ないでぇぇ!」


最近夜道で襲われる人が多くてニュースにもなっていた

怪我をしない人も居れば、大怪我する人も…そして亡くなる人もいた

それを思うと一気に全身が震えた


「ぁっ…!」


ドサッ

足が縺れて転んでしまった。起き上がろうとしたら間近にあの化け物の声が聞こえた


「ヒヒヒ。手間ヲカカセヤガッテ」

「ぃ…ぃや…」

「安心シロ。アットイウ間ニ楽ニナル」

「い、や…嫌ぁ…!だ、誰か…!」

「サァ…一瞬デ終ワラセテヤルヨォ!」

「嫌ぁぁ!誰か助けてぇええ!!」


嗚呼…私の人生はたった13歳で終わってしまうの…

……あれ?硬く目を瞑っても…痛みが伝わってこない…その代わりに


「ギャァァアアアッ!!」


化け物の悲鳴らしきものが聞こえた
ゆっくりと目を開けると…私の前に…知らない人が立ってた


「キ、貴様ハァ…!」

「うちのシマで女に手ぇ出すなんて良い度胸してるな」

「…」

「今までの事件もテメェの仕業だな…この落し前がつけてもらうぜ!」

「や、やめ…ヤメテクレェエエエエエ!!!」


ザンッ!

男は勢い良く刀を降り、化け物があっという間に消えてった

…カッコイイ……


「…」

「怪我ねぇか?」

「え…あ、はぃ」

「ここら辺は暗ぇからな。一人で居ると今みてぇな事があるかもしれねぇ…気をつけな」

「…ぁ、あの!」

「?」


勢い良く呼び止めてしまった

綺麗な銀髪と黒髪が靡いて綺麗な瞳に吸い込まれそう…


「あ、の…た、助けてくれて有難う…ございました」

「…今日は月が綺麗だな」

「えっ」

「これからは気をつけな。お嬢ちゃん」

「//」


月に照らされるその人はとても綺麗に見えた

オマケに綺麗な微笑みをしたから顔が真っ赤になっちゃった

…これって…一目惚れ、だよね…

「お、お名前教えてください!」

「また会えたらな」


そう言い終わると一瞬で消えてしまった

また静かな夜道に戻った。私はこの日を忘れないと思う

そして、またあの人と会うんだ。それで名前を聞いて…話も出来たら良いなって思う


「…これが…初恋って言うんだ」


あの人の事を思い出すだけで胸がドキドキする。初めての気持ち

絶対…この想いを伝えてみる。初恋は大切にしたいもの

待っててね…私のヒーローさん














(あ!あの時の私のヒーローさん!)

(?…ヒーロー?)



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初夜若夢。
何故だか出番が少なかった…!
私のヒーロー
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