羽衣狐と半ば強制的に共存する事になってから数日が経った。
何故こんな妖怪と共存する事になったかと言うと、私はあの日闘うと言ったもの私の命は既に羽衣狐の手の中で下手に攻撃すれば命を落としかねないと分かったから。
私がいるこの身体の中は暗闇で何がどこにあるのか分からなくて不意に地面?座ってる所をバシンッと叩いてみたら


ガチャンッ

「うっ…!!!」

「羽衣狐様あああああ!?」

「どうなされましたか!?」


食事中だった羽衣狐が嘔吐しかけたらしい…見えないから良く分からないけど…
その後私は羽衣狐に殺されかけて身をもって危険さを知ったんです。
だから仕方なく共存してるんだけど………


「あの…今の状況良く分からないんですが」

<何をしておる?さっさと行かぬか>

「だから、どこへ?」

<京巡りじゃ>

「京都巡り?」

<うむ、妾は500年ぶりに復活した故今の京の状態が分からぬ。故にお前が案内するのじゃ>

「いや…私生まれも育ちも東京でして…」

<…>

「あーはい!京都巡りですね!?ではまずは街に行ってみますか!」


羽衣狐が無言になると正直怖い。これが奴良組と京妖怪の怖さの違いなんだろうなぁ。
奴良組は全く怖くなかった。でも別の"畏"を感じてたけど、京妖怪はまるっきり怖いほうの"畏"しかない
……と、言うよりも…


「あの…貴方達は?」

「聖母様をお守りするためだ」

「…ま、マリ…ア…様…?」

「黙ってろカス虫」

<そ奴等は幹部の妖怪でのう。右がしょうけらで左が茨木童子じゃ。どちらも強いぞ?>

「…はぁ…」

「おい」

「、」

「テメェの事は羽衣狐から聞いてるが別にテメェを守るために行くんじゃねーからな」

「聖母様のお体はまだ小さい。どんな危険が来るか分からないからな」


過保護にされてるんですね…確かに鏡で自分の今の姿を見ると、転生した時のままで小学…4〜6年くらいの容姿だった
でも山吹乙女さんに似てる。そりゃあね…山吹乙女さんの容姿を真似して作ったんだもん…当たり前か…
だがしかし…また一つ気に食わぬ事が…


「あの、茨木童子さん」

「あ?なんだよ」

「帽子、黒しかないんですか?」

「……は?」

「あと服や靴。黒じゃなくて違う色はないんですか?黒という色は日差しを吸収しやすくて余計暑くなるんです。今日みたいな日差しが強い日ですとすぐ熱中症などなって倒れちゃいます」

「…」

「安心しろ。そんな事はないようちゃんと水分は持参する」

「いや、そうじゃなくてむしろこの色」

「聖母様は黒が似合う!黒以外のお召し物など似合わない!」

「理不尽!」

<さっさと行かぬか…>


しょうけらという人はなんであんなにこだわるのか…黒は絶対暑いよ…
メイドの人達がドアを開けてくれて外へ出た……え?メイド…?この家にメイド居たんですか?あれも妖怪ですか?


「名前」

「!」

「外へ遊んでくるのかい?」

「え…あ、はい」

「気をつけて行ってくるんだよ。暗くならない内に帰ってきなさい」

「は、はい」

<そうじゃ言い忘れておったが…>

「?」

<貴様は苗字名前と言うのだろう?その名前を使わせてもらったぞ。本来この家には孫は存在しないが、記憶を弄らせてもらって妾達がこの大企業会長、と言ったかの?その孫娘としてこの屋敷に住んでおる>


最初、知らないおじさんに話しかけられて名前を言われて驚いたけど、羽衣狐の話で納得せざるおえなかった
人の記憶を弄るなんて……あ、まさか…だから転生した時も記憶をすり替えられてたんだ。鯉伴の娘として鯉伴を殺すために……鯉伴…


「…おい」

「え………わぁっ!」

ガッ---べちゃっ

「聖母様ああああ!」


茨木童子に声をかけられて立ち止まろうとしたら石に躓きそのまま地面にべちゃっと前から転んだ。多分小学生低学年くらいで良く見るあの転ぶ光景そのまんまだと思う。
しょうけらが慌てて立たせてくれたけど、思いっきり転んだから痛い。

<…痛い…>

嗚呼、この痛みは一緒になるんですね。同じ身体ですし……だけど本当に痛い


「何やってんだよ馬鹿女」

「茨木童子さんが急に呼び止めるからでしょ!」

「石あるから気をつけろって言おうとしたら勝手に転んだんだろうが」

「もっと早く言ってよッ!!」

「聖母様!血が…!今すぐ手当を」

「もう聖母様とかいらない!!」


やっていく自信がない…


京巡り
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どうしてもね、京妖怪が絡むとこんな感じになってしまうんです…



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