「ふぇっふぇ…羽衣狐様、今日からこの屋敷で過ごす事となります」

「…そうか」


羽衣狐の意識を通して私も外が見れるらしい

ここは…嗚呼、京都か…広い屋敷に住むんだね。原作と一緒

どうして羽衣狐は私を生かしてるんだろ…あの人の事だから私の意識を消す事だって可能な筈…

まだ小さい羽衣狐が屋敷の中へ入ると、一瞬の内に多くの妖怪が出て来た。正直怖かった。奴良組の時とはまるで違う…威圧感


「羽衣狐様!」

「蘇ったのですね…!」

「お帰りなさいませ…!!」

「お前達も元気で何よりじゃ…」

「羽衣狐様」

「おぉ…鬼童丸。久しいのう」

「はっ…無事蘇った事、心より祝福いたします」

「ふふ。お前は相変わらずじゃな」


京妖怪達は淡々と喋っていたけど、私は怖くて震えが止まらなかった

それから羽衣狐は寝室へ戻り、何かをしていた。その時私に喋りかけてきて…


「…悔しいか?憎いか?」

<…っ>

「愛する者を手にかけ、そして何も出来ずにいる自分が」

<…>


答える事が出来なかった。本当の事で言い返す事も出来ずに…

鯉伴は死んじゃったのかな?今でも願うの。生きていてほしいって…!


「……だがしかし妾には分からぬ」

<…え?>

「貴様は山吹乙女ではないだろう?なのに何故山吹乙女の姿をしていたのじゃ?」

<な、何…言って…>

「妾に分からぬとでも思っているのか?この依代に入った時山吹乙女ではなく貴様がいた…全く別人の貴様がな」

<……羽衣狐…>

「なんじゃ?」


もうバレているなら仕方ない。私は闘うよ。きっと遅くないまだ変えられる…信じないと駄目

だって山吹乙女さんと約束したから…必ず鯉伴を助けるって…!


<私は負けない。貴女と闘う。私は山吹乙女さんと約束したの…絶対鯉伴を助けるって!貴女の好きにはさせない>

「ほほほ…笑わせる。奴良組二代目はとっくに死んだじゃろうに。貴様の手で殺めて」

<…きっと鯉伴は生きてる…私は信じてる!>

「何も出来ぬ小娘が…良いか?貴様の小さき命、妾には簡単に消せるのじゃからな」

<っ…!>

「妾に逆らってその命消滅するか…妾に協力して生きるか、どちらかを選ぶのじゃな」


今はまだ復活したばかりで力もそんなについてない筈…

だとしたら何とかするなら今しかないっていう事。羽衣狐が生き肝を食べれば食べる程力が増幅されてしまう

鯉伴……お願い…生きてて…!!
























スゥッ――

「雪女ー」

「…リクオ様」

「お父さんは?」

「…リクオ様…!」

ギュッ

「痛いよー雪女ーどうしたの?」

「うっ…うぅっ…!」




「鴆、鯉伴は…」

「何とか一命は取り留めたんだが…意識が戻るかどうかは……」

「そう、か」

スゥッ

「若菜さん…」

「大丈夫よね。貴方はいつもふらりと出てって…今もどこかに出掛けてるんですよね。私待ってますから…だから、早く目を覚まして下さいね……お父さん…」

「…」



狐様との共存



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