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「桜が綺麗ねぇ」

「あぁ」

「風も気持ちよくて…これが春の香りなのね」

「あぁ」

「琥珀さんったらさっきから"あぁ"ばっかり」

「他に何か言ってほしい?」

「…いいえ」


外の世界はとても美しくて綺麗

桜もこんなに綺麗に咲いて…


「あ、凛々蝶ちゃん。おはよー」

「フンッ朝から暑苦しい笑顔な事だな。おはようございます」

「おはようございます」

「おはようございます」

「凛々蝶ちゃん、もうここの暮らしにも慣れた?」

「君達が話しかけてこなければすぐにでも慣れるのだがな…僕は馴れ合いは好まない。だから僕の事は」

「それじゃあ慣れるまでお姉さんが協力してあげる」

「君は人の話を聞いていたのか!?というかお姉さん!?」


凛々蝶ちゃんは不器用なだけなのよ、うん

きっとすぐにみんなと仲良くなれるわよ


「これから学校ですか?」

「はい。ですが…」

「?」

「凛々蝶様と離れてしまうなんて…SSでありながら離れたくないと思ってしまう僕は罪人ですね」

「…罪人まではいかないような気もしますが…」

「御狐神さんは凛々蝶ちゃんの事大切に思ってるのね」

「…君はどう解釈すればそう思えるのかな…?」


良いな…学校。私も行きたい

私の歳だと高校2年生なんですってね…良いなぁ


「琥珀さん。私も学校に行きたいな」

「小学5年生からになるけど良いのかな?」

「えー高校2年生からじゃないの?」

「伊織の頭では精々小5だよ」

「…君は一体…」


学校に通わないのは不憫ね…

勉強は今から琥珀さんとしてるからきっと来年には高校2年生になれる筈よ

頑張らなくちゃ


「行ってらっしゃい。凛々蝶ちゃん」

「フンッ…い、行ってきます」


私の私生活は決まってる

午前中は琥珀さんとお勉強をして午後はデパートや町を見回るの

沢山の目新しいものとか見られるの

私がこの町を、この世界を知り尽くすのはまだ遠いわね…


「それじゃあ部屋に戻って勉強しようか、伊織」

「はい」











「思いにふける伊織ちゃん…メニアック♪」

「…野ばらちゃん…学校遅れるんだけど…ミケ達もう出たし」

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