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私が、来世の自分に書いた手紙―――


""来世の天宮伊織さんへ

 この手紙を読んでいるという事は、自由になれたんですね。
 お元気ですか?前世の私は元気です。天候は晴れです。
 私から言える事はひとつしかないので、短めに書きますね。

 天女という先祖反りである限り、辛い事苦しい事嫌な事が沢山あると思います。
 でも、希望を捨てないでください。暗闇にばかり足を向けるのではなく、前を向いてください。
 貴女はもう一人じゃありません。友達もいます。同じ先祖反りの素敵なお友達が。
 琥珀さんも居るんです…だから笑って下さい。
 来世の貴女が幸せである事を祈っております

 前世の天宮伊織より""














「きゃーーーーーーーーー!!!」


みんな来世の手紙をタイムカプセルに入れてる時でした

反ノ塚さんが凛々蝶ちゃんに持ってきた手紙が御狐神君宛だと知ったら凛々蝶ちゃんが急に大きい声を出したのです


「な、なんだ!?」

「どうしたの、凛々蝶ちゃん」

「おい、どうした…珍しいなそんな取り乱して…」

「り、凛々蝶ちゃん」

「ぼ、僕は…なんて事を…」


四つん這いになっている凛々蝶ちゃんの背中をさするけど本人はとても沈んでいてどうする事も出来ないでいた

その時反ノ塚さんが焦りながらも


「手紙ならまだ読んでないかもしんないじゃん。とりあえず電話すれば…」

「!」


凛々蝶ちゃんは携帯電話をまるでベテランのように動かしていた

あんなに早く弄る姿初めて見たわ…


「凄いスピードね」

「あぁ。ビギナーとは思えないスピード…」

プルルルルル―――ピッ

「"はい…"」

「手紙を読むな!!」


御狐神さんが出たのか大声で言う凛々蝶ちゃん

私たちは後ろで暖かく見守る事しか出来なくて、


「"読みました"」

「…」

「"凛…"ピッ


凛々蝶ちゃんはその後酷く落ち込みました

でもなんとかしようとみんなで励まそうとしたんですけど…


「何書いたのかはうすうす想像つくけど…大丈夫だって。どう見ても両想いじゃん。何を今更。おめでとー。お兄ちゃんちょっと淋しい」

「そ、そうよ凛々蝶ちゃん。お手紙でも気持ち伝えられたんだからき、きっと御狐神さんも想っているわよ」

「そーかなー?そーたんの気持ちはあくまで'敬愛'かもよ?7つも歳離れてるんだし〜〜☆」

「でもあの男そういう倫理観欠けてそうじゃない?心配だわ〜」

「やーいロリコン。あの狐にお似合いの称号だぜ!」

「食べる…?」


これは…励ましになっているのかしら…途中から何か違うような…

でも、いつも御狐神さんと凛々蝶ちゃんを見ていると二人はお互いの事好きって分かるのだけれど


「7つ…22歳…?倫理…敬愛……」

「まぁまぁそう落ち込まなくても、てゆーかこのままこうしてると〜そーたんここに来るんじゃない?」

「旅に出る!!」

ぎゅん!

『行ってらっしゃーい』


二人が上手くいく事、願っているから―――――









「さっき、白鬼院さんが慌ててどこかへ行ったんですが何かあったんですか?」

「あっ!はくたーん」

「凛々蝶はまぁ、あれだ。恋だよ恋」

「はぁ」

「琥珀さん!手紙もってきてくれた?」

「あぁ。はい」

「後はそーたんとちよたんだけだねー」

「キョウは来世の自分にどんな事書いたんだ?」

「私ですか?…内緒です」

「えー!」

「琥珀さん」


こんな楽しい時間がずっと続けば良いと思っては駄目かしら

誰かとずっと一緒にいたいと思っては駄目なのかしら

時間は止まらない。少しずつ動き楽しい時間は少しずつ減ってゆく……


「そーたんとちよたんくっついたってー☆」

「わぁ!やっぱり!」

「え?え?何の話ですか?」

「ロリコン狐ー!」

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