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「反ノ塚さん。確か高校3年生だったわよね?」
「んー?そうだけど?」
「もし良かったら勉強教えてもらえないかしら。琥珀さん今日はでかけてて…」
「伊織ちゃんから頼みごとって珍しいな…良いぜ、勉強あんま出来ねぇけど」
「有難う…それじゃあこれなんだけど」
「んーと?……算、数…ドリ…………え?小5?」
「このね?10ページのこの計算が凄く苦手で…どうすれば解けるかしら?」
「え、えーとー……ごめん。突っ込む所多すぎて何から言って良いか分らないわ」
「え?」
そうだった。話してなかったんだわ
いけないいけない…反ノ塚さんが困るのも無理ないわね
「私今まで学校に行った事がなくて…だから今から勉強してるの。来年くらいは高校に通ってみたいし…」
「…なんか、ごめん…」
「えええ!?そ、そんな哀れみの目で見ないで!別に行くお金がなかったとかそういうのじゃないから!」
30分にも渡って説明をした
初めてだった。こんな事を話すのは…琥珀さんはきっとメイドあたりに聞いた。だって最初から知ってたもの…夏目さんは心を読まれるから
「先祖返りの家にはそういう信仰もあるって聞いてたけど…本当にあったんだな」
「そうねぇ」
「辛くなかったの?伊織ちゃんは」
「夏目さんと同じ事を聞かれたわ。でも琥珀さんが毎日来てくれたし…今はこうして自由だから全然平気よ」
「そっか……そんじゃあドリル教えますか」
「はい」
「この反ノ塚連勝先生に任せなさい」
「お願いします。先生」
〜1時間後〜
ガチャッ
「ちょっと反ノ塚。アンタまた棒を落とし……何この状況」
「野ばらさん」
「…野ばらちゃん正に救世主…」
「何死んでんのよ……あぁんvV伊織ちゃん。今日の私服もメニアック♪」
見事反ノ塚さんは撃沈してしまったのです
小5ともなれば忘れてしまうみたいで…一問目は何とか出来たけど、それ以降が…
「成程…話は聞いたわ」
「いや、まだ何も言ってないんだけど…」
「伊織ちゃんの危機ならば私が手を貸さない訳がないわ!任せて伊織ちゃん!私がこの問題解説してあげるvV」
「有難うございます」
「そ、それでそのお礼として伊織ちゃん…その谷間の間にて、手を入れてもっ//」
「…せめて下心隠そうよ…」
「教えてくれるのなら、別に構いませんよ」
「え、良いの!?」
「がが、頑張るっ!お姉さん頑張っちゃうわvV」
それから野ばらさんに計算を教えてもらいました
野ばらさんの説明は本当に分りやすくて隣で聞いてた反ノ塚さんも関心していた
あっという間に小5用算数ドリルが終わった。明日から小6の算数ドリルにいけます
「有難うございます。野ばらさん。反ノ塚さん」
「これぐらいお安い御用よ」
「いやいや俺何もしてあげられなかったしね。全部野ばらちゃんが頑張ったし」
「今更なんだけど」
「「?」」
「なんで小学5年生用のドリルなの?」
「…」
「…野ばらちゃん。せめてそれは教える前に言ってほしいな…」
それから二度目の30分にも及ぶ説明が始まるのでした
「琥珀さん見て。野ばらさんと反ノ塚さんのお陰で小5算数ドリル終わったのよ」
「、…言ってくれれば教えたのに」
「琥珀さんにだって自分の用事があるでしょ?私のために自分の時間を潰さないで」
「伊織」
「明日から小6のドリルにいけるから、この調子なら来年は凛々蝶ちゃん達と同じ高校に通えるわよね?」
「それは伊織の頑張り次第かな」
「頑張っちゃうわよ」
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