「…ん」


あれ、俺…嗚呼そうか。俺死んだんだ

呆気ない15年間だったな。まさかこんな所で死ぬなんて

…天国ってあれだな。普通だな、この木で出来た家で焚き火が…

ガバッ


「え」


急いで起き上がると俺の他に何人もこの家で気を失っていた

…どういう事だ?俺達…死んだんじゃ…


パサッ

「あ」

「…お前」

「起きたんだね」

「確か、俺と長太郎の前に現れた」

「鏡子って言うの」


鏡子っつーガキは俺の前に座ってきた

何から聞きゃあ良いんだ?


「今凄く混乱してる?」

「当たり前だろ?お前と喋ってたらいきなり頭に激痛が走って死んだと思ったらこんなところに居るし…つか俺、達生きてんのか?」

「うん。生きてるよ」

「…マジかよ…」

「ん…」

「長太郎!」


それから全員目が覚めたみたいで起き上がった

誰もが俺と同じ反応をした。死んだ筈なのに…と

ここは一体どこなんだ?…「宍戸さん…ここ」

「あ、あぁ…おい、ここはどこなんだ?」

「えーと…里のはずれ」

「は?」

「一体…」


その時、全員が思わずギョッとした

小屋に誰かが入ってきたかと思えば、一つ目の化けもんだった


「鏡子…全員起きたのか?」

「うん。何かあったの?」

「里の畏れ破った奴が捕まったらしい!玉藻様ももうじき来るってよ!」

「あ、あのね。里の畏れを破った人達ね」

「どう始末するかは玉藻様がお決めになるだろうよ!」


そう嬉しそうに化けもんは言えばそのまま出て行っちまった

誰もが混乱するばかり。ざわついてると、鏡子がおどおどしてた。


「ちょっなんだよあの化けもん!」

「ここどこなんや!」

「お、落ち着いて…別に食べたりとかしないから」

「食べる!?」

「お前も化けもんなのか!」


この状況で落ち着けなんて無理もねぇ

だが、小さい子相手にそれはねぇだろ…


「ったく…」

「宍戸さん」

「お前等!少しは落ち着けよ!」

「宍戸君…」「鏡子っつったな…詳しく今の状況を説明しろ」

「…4年前にもね?同じ事が起こったの」

「同じ、と言うと…」

「うん…貴方達と同じ人間の子供が連れてこられて、殺しあってたの」

「…そんな」

「人間がここに入れる筈なかったんだけど…でも殺し合いをして、この島は人間の血で汚れちゃった」

「待て。君の話し方だと…まるで君は人間ではない言い方だが」

「鏡子は妖怪だよ。この鏡の付喪神」


妖怪なんてもんは非現実的でこの世に存在しない只の作り話かと思ってた

だが、こいつと良いさっきの一つ目の化けもんを見れば…信じざる終えないのかもしれねぇな


「でもね!今回は違うの」

「え?」

「今回は鏡子達見てるだけなんて嫌だから貴方達を助ける事にしたの」

「妖怪が、俺達人間を?」

「うん。みんなは島のためって言ってるけどね…きっと貴方達のためだと思うの。私達の里にも子供居るから…見過ごせない」

『…』

「…優しいんだね、鏡子ちゃんは」

スゥッ

「っ…最初は怖かったけど…でも鏡子泣かないよ。鏡子は大人だから」


長太郎が頭をなでると嬉しそうに笑ってた

そういう顔見ると、なんか妖怪だとは思えねぇな

みんなもまだ半信半疑だが、一応信じてみようと決めた


「あ、里に行かなきゃ!」

「なんでだよ」

「里の畏れを消したのって貴方達の仲間でしょ?このままじゃ本当に喰われちゃうよ」

「マジかよ!?」

「なんか心当たりがあるんだけどよ」

「…日吉…」

「早く助けに行かないと!鏡子ちゃん、案内を頼めるかい?」

「うん。こっちだよ」


全員で行くのはまずい。まず俺達氷帝と立海と青学の大石が行くことになった

小屋を出たすぐ隣に、何やら墓のようなものがあった

まさか…とは思ったけど今は仲間の救出が先だと思い走った





「おーい!!」

「?…お、おい!あれ!」

『!?』

「忍足!?」


なんか、忍足と四天のいとこの忍足が変なのに乗ってきたんだけど!?

なんだよあれ!つか仲良くねぇか!?



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