真田side―



「少し休むか?仁王」

「…あぁ」


この森、なんだ?先程から同じような所を回っているようにも思える

地図なんてもう当てにはならぬだろう…日が暮れてきた…どこか休める所で身体を休めれば良いのだが…


「必ず幸村たちに会える。もう少し頑張れ、仁王」

「…分っちょる」


仁王は精神的に疲れている。目の前で仲間が殺されたんだ…無理もなかろう

第一誰が殺していると言うんだ。仁王の話ではどこの学校でもない奴だった…政府の用意した奴か?なら危険だな


ジジッサアアアアアア――

「っ」

「これは…放送か?」


何故だ?放送時間ではないのに何故放送が入るのだ?


≪こんにちはー…あ、こんばんわだった?≫

「…鈴木三郎…じゃなか」

≪誰だか知んないけどさぁやってくれるよねー≫

「何を言っている…?」

≪"全員生きてる"なんて予定外なんですけど…!≫

「「っ!!」」


ドクンッ

何…?全員、生きてる…だと?何を言っているんだ。死亡者を発表してたではないか!

それに今放送している奴は誰だ?聞いた事ない声だぞ?あそこに女がいたというのか?


≪でーも、私心広いからぁ!私が言った事をしてくれれば全員生かして帰してあげるっ勿論顧問の先生達もよ!≫

「…なんじゃ、一体」

≪クスッ……"松尾江間"を殺せッ≫

「っ!!」

「な、何…?」


松尾を…?何故、何故あいつなんだ!?

一体…どうなって…!







白石side―


≪"松尾江間"を殺してくれたら、全員生きて帰してあげる…ねぇ?良い案でしょ?一人を犠牲にすれば?みんな助かるのよぉ!?≫

「何…言って…全然意味分らない!!」

「こいつ…何言うとるんや」


色々な事があって、まだ整理がつかん時や。誰もが理解出来なくなっていた

これには雹麗さん達も驚いていた。急に何を言い出すのかと…


≪そうしないと…全員ここで死んでもらうから。あ、勿論餓鬼共を生かした奴等諸共ね?≫

「なんで急にあいつ一人を絞りやがったんだ?」

「分らない…」

≪でも、制限時間がありまーす!30分…そう、30分経っても松尾江間が死ななければ自動的に全員死ぬ事になりまーす≫

「っ、な、何するんだよ…!」

≪此方で用意した者を外へ出して全員を殺しに行くんです。もうこいつ等は厄介で一人残らず全員殺すまで止まらないのー。それが嫌なら松尾江間を殺す事。簡単でしょ?…ではっ用意スタート!≫


今から30分後には俺等は命を危険に曝す事になる

せやかて…この子が何悪い事したっていうねん。何もしとらんのに…殺せって…


「嫌だ…嫌だよ!江間ちゃんを殺すなんて出来ないよ!!」

「小川さん…」

「やだ…やだ!」

「小川さん!しっかりして!」

「ひっく…神崎、さん…!」

「どうすれば良いんだ…!」

「しかし何故松尾を指定したんだ?」

「1番最初に出たから?」

「んな阿呆なっ」

「どうするんすか?」

「困ったね…」

「私を…殺して下さい」

「何を言うんだ」

「私が死ねば皆さんが助かる…殺すなら今です。お願いしまっ」

ガシッ

「…君は生きなくちゃ駄目だ」

「精、市…!」

「…」

「きっと何か方法はある!みんなで生き残る方法は必ずある!」

「だー…!もうじれってぇな!!要はそいつを殺せば良いんだろ!?」


手塚くん達に縄で縛られてた子がズンズンと松尾さんの元へ行った

え、ちょっ…!


「ま、待ちぃや!何するんや!?」

「"殺す"んだよ。こいつが"死ねば"終わるんだろ?じゃあ今すぐ殺す」

「嫌…止めて!!江間ちゃんを殺さないで!」

「止めるんだ!」

「…月夜」

「分ってるよ」

「氷の姉ちゃん!止めてぇな!こんなんアカン!」

「大丈夫よ…金太郎」

「え?」

「へ?」


雹麗さんにしがみ付いて止めようとする金ちゃんの頭を撫でる雹麗さん

何が…大丈夫なんや?


「…そうか!その手だ!」

「?」

「可能性だが…首輪を壊してしまえば生存拒否して松尾は死んだ事になるのではないか?」

「そう言う事。今までの奴等も同じ方法でやってきた」

「じ、じゃあ…全員生きてるって」

「本当よ。今は安全な場所に居るの」

「…!」

「だが、あいつ等気付いてるから可能性は低いが…一か八かだ!。行くぞ」

「…」

月夜と呼ばれた子は刀を振り上げ勢い良く"首輪"を斬った

何か音がしてボトッとそれは落ちた……これで、何とか…




「…ふーん…そういう選択肢を選ぶんだ…もう、良いや。全員殺し決定」




これで…大丈夫や。と思った瞬間

遠くから鈍い音がして鳥がバサバサバサと勢いよく飛ぶのが見えた


「!」

「妖気!?」

「え?え!?」

「雹麗ー!!」

「赤舌!?アンタ今まで何してたのよ!」

「まずい!」

「何が!?」

「でかい建物の中から軍服を着た妖怪がわんさか出てきた!」

『っ!?』

「…だ、駄目だったか…」

≪よくも私を馬鹿にしてくれたわね…≫

「さっきの…」

≪決定よ。全員…いえ、この島諸共全員ぶっ殺してあげる!楽しみに待ってなさい≫


アカン…殺される

はよ、何かせぇへんと…!このままじゃ…!


「妖怪が全て関わってたって事ね」

「どうする?玉藻様達に知らせてくるか?」

「もう知ってるでしょ……でもどうして妖怪が一人の人の子を…」

「どうするにゃ!俺達殺されちゃうよ!」

「英二先輩!落ち着いてください!」

「コシマエ冷静すぎや!」

「これでも冷静じゃないんだけど」

「どうしよ…景吾!」

「チッ…時間が悪すぎる」

「暗くなってきたからな。視界が狭い…逃げるのも困難だろう」

「だが、相手も同じなのではないか?視界が暗いならこちらの事も」

「妖怪は人間の匂いを頼りに動きます。視界なんて関係ありません」

「松尾さん…妖怪詳しいんだね」


ほんまに…驚くわ。跡部くんが「日吉並のオカルト好きか?」とか聞いとった


「い、いえその…少し本で…」

「全員バラけて逃げて!ここは迷いの森になってるからそんなに早くは追いつかれないわ!」

「でも!まだ合流していない仲間が!」

「走ってりゃあ会えるだろ!」

「ワイ!氷の姉ちゃんに付いてく!コシマエ!」

「え、ちょっ!」

「金ちゃん!」

「おチビ!」

「やれやればい…!」

「………え!?またこいつ等と!?」

「テメェにはまだ聞きてぇ事が山ほどあんだよ!」

「うえー」


それぞれまた会おうと言い、バラけて逃げた

頼む…!謙也!みんな無事でおってな!必ず迎えに行くさかい!


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うわあああああ…
急展開過ぎるでしょううが…駄文の良い例だよ、おい
もっと上手く書きたい…



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