神崎side―


「この近くに小屋がある筈だ。そこで一度休憩を取ろう」

「うん…神崎さん。もう少しだから頑張って」

「え、えぇ…」


今私は手塚君と不二君と共に行動してる

さっきまで一人で跡部やみんなを探してたんだけど見つからなくて一人泣いていたら彼等と会って一緒に探す事になった


「…ごめんなさい」

「?」

「私…足引っ張ってて…」

「何言ってるの?僕達は全然そんな事思ってないよ。ねぇ手塚」

「あぁ…むしろ申し訳ないと思っている」

「え?」

「事前にこの事が分かっていればマネージャーの者だけでも参加させないように出来たはずなのに…すまない」

「そ、そんな事!わ、私は好きで来たんだから…謝らないで」


私は跡部達や他の人達のサポートをするのが嬉しかった

だから合宿で跡部に手伝ってくれと言われた時凄く嬉しくて…


「待て」

「どうしたんだい?手塚」

「小屋の中に誰かいる」

「え」


だ、誰…?

確かに遠くの小屋を見るとほのかに明かりがついているのが分る

誰だろ…


カチャッ

「え!」

「不二」

「…もしもの時だよ」

「も、もしもって…?」

「…もし、相手が僕達に気付いて殺そうとした時は…」

「そ、んな…!」


誰かが死ぬところなんて見たくないよ…

怖い…景吾…!


「!待て不二!」

「手塚…?」

「神崎」

「…ぇ?」

「あの小屋に居るのは、跡部達だ」

「えっ」


手塚君が指を指す方を見ると丁度小屋から慈郎が出てきて呑気の背伸びをしながら欠伸をしているところだった

その後、景吾も出てきて少し呆れ気味が慈郎に何か言ってた

私は嬉しくなり涙を浮かべながら二人の下へ走った


「景吾っ!慈郎っ!」

「!真由!?」

「真由ちゃんだC!」


私は思い切り景吾に抱きつくと景吾は軽々と受け止めてくれた

慈郎も傍で凄く喜んでくれてた…良かった…会えた…!


「真由…ここまで一人で来たのか?」

「うぅん。青学の手塚君と不二君と来たの」

「…手塚、不二」

「跡部。無事だったんだな」

「あぁ…真由が世話になってみてぇだな。礼を言うぜ」

「ふふ、気にする事ないよ」


景吾は手塚君と不二君を信頼してるから武器を構えたりなんかしなかった


「他の者は居ないのか?」

「あぁ。お前達に会うまでは俺と慈郎の二人だけだったぜ?」

「そっか」

「…景吾…」

「あぁ。宍戸と鳳が殺られちまったな」

「氷帝もか…俺達も河村と乾が殺られてしまった」

「なんで簡単に殺せるんだろうね」

「分らないC」

「誰が乗っているか検討はつくかい?」


そうだ。このゲームに乗る人が必ず居るって事、だよね

でなきゃ…死んじゃった人なんて出ない


「いや…」

「…あ!でもでも!江間ちゃんが殺したんじゃないからね!」

「え?」

「江間…松尾さんの事だね。その根拠は?」

「俺達は一回会って話してんだよ。俺が行った時は慈郎が松尾に携帯の使い方を教えてる時だったな」

「うん!これから殺すぞって奴が携帯の使い方教えて欲しいなんて言わないC。それに彼女の目は人殺しの目なんかじゃない。俺はそう思うよ」


分らないじゃない…

でも、景吾も慈郎も信用してるんだから…そう、なのかな…


♪〜♪♪〜

「!」

「この放送…!」

≪皆さんこんばんわ〜。夕方の6時のお知らせだよー。順調に殺しあってくれてるみたいだねー?≫

「…そんな…」

「また死人がでやがったって言うのか?アーン?」

≪それじゃ死亡者発表しまーす!≫

「…」

≪まず青春学園の大石秀一郎君。次に氷帝学園の樺地宗弘君、向日岳人君。次に立海大付属の丸井ブン太君、ジャッカル桑原君。最後に四天宝寺の金色小春君と一氏ユウジ君…以上の7名です!ペースが速くて鈴木三郎は嬉しいでーす!これなら2日目で終了しちゃうかな?ははははっ!ではでは、次に禁止エリアを――≫

「…なんでっ…笑って、るのよ…」


樺地君…がっくん……そんな…!

涙を流しながら手塚君と不二君を見ると、手塚君は無言で空を見上げ、不二君は俯いていた

慈郎も、景吾もみんな交わす言葉が見つからなかった。こんなに早く死んでしまうなんて…






「…小春…一氏…!」

「岳人…嘘、やろ?…何俺より先に逝っとんねん…!」





「ブン太、ジャッカル…!」

「そんな…」

「等々我が立海にも…」



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