丸井side―


「あーあ腹ぁ減ったなぁ」

「さっき食ったばっかりだろ」

「歩き続けてんだぜ?」


ジャッカルと森の中を歩く。つーかこの森広くてでかくね?

なんで森から出てきてジャッカルとしか会わねぇの?不思議だよなぁ


「なージャッカル」

「?」

「なんで誰にも会わねぇんだろぃ?」

「俺はそっちの方が良いけどな。争わなくて済むし」

「そうだけど」

「さっきの放送で確実に乗ってる奴が居るんだ。このまま過ぎてほしいくらなんだよ」

「…まさか…マジで松尾が殺ったんじゃあ」

「おい!同じ学校の奴を疑うのかよ!」

「でもよっ!あいつ絶対ぇ可笑しいって!」


こんな時まで無表情なんて可笑しい。普通は怯えるっつーのに

それにあいつリュックも持たずに…このゲーム一日で終わらすとも言ってたし!


「そうだろうけど」

ガサッ

「「!」」

「ぉわっ…!」

「お前、氷帝の向日!」

「な、何してんだよ!早く逃げろ!」

「!ど、どういう事だ!?誰かに追われてんのか!?」


茂みから出てきた向日は全力で逃げてきたのだろう。汗は止まらず流れ息を乱していた

誰だ…乗った奴誰なんだよ!


「松尾か!?」

「おいブン太!」

「違ぇ!あいつじゃねぇ!」

「なんだよそれ…じゃあ誰なんだよ!」

「クソクソッ分らねぇんだよ!俺だって知りたいっつーの!」


俺もジャッカルも向日の言葉が理解出来なかった

大抵の奴等は青学、氷帝、立海、四天のレギュラーの名前も顔も覚えている

なのに向日は知らない誰かに追われてる?…どういう事だよ。俺等の他にも誰かが…!


ガサッ

「ひっ!」

「…ちょこまかと逃げる奴だな…」

「誰だ!」

「…っ!おいおい、冗談キツイって…!」


茂みから出てきた野郎は最悪な奴だった。面なのだろうが鬼の姿をした奴だった

全身に冷や汗が流れる。恐怖で震える…なんなんだよこいつ…政府の奴等内緒でこんな奴等参加させてたのかよ!


「おっ2人も居るなんてついてる〜」

「だ、誰、だよ…お前…」

「………鬼?いや、違うか?」

「ぁ…ぁあ…!」

「良いねぇ。俺を畏れてくれるなんて…やっぱそうでなくちゃな、人間は」


意味わかんねぇ…早く逃げねぇと危ない事は確かだ

でもどうやって逃げるんだ?


「ぃ…やだ…た、助けっ」

「安心しろよ…今、助けてやるから、さ」

ザンッ!

「「っ!!」」

ドサッ


一瞬の事だった

前に居た向日が斬られてそのまま倒れた。嘘…嘘、だろぃ?

死んじまったのか?嫌だ…んなの俺は嫌だ!!


「さて……お次はお前等だ」

「ブン太ぁ!!逃げろ!!」

「!!」

ダッ

ザンッ!

「!……ジャッカルウウウウ!!」









真田side―


「…む」


…今…丸井の声が聞こえたような…


「…気の、せいか…」


早く皆と合流しなくてはならん

一体どこに居るというんだ…闇雲に歩くのも無駄なような気がするが…


「ん?」


向こうに見えるのは……仁王か!良かった!仲間にあ、え…

待て、あいつは何を構えているんだ?あれは…銃、か…!?

だ、誰を狙っているんだ!駄目だ、止めさせなくては!


「仁王!!」

「っ…さなっ……!」

ガシッ バアアアアンッ


すぐさま仁王に飛びつき手にしてた銃を上に向けた瞬間、銃口から弾が飛び出した

危ない所だった…!


「離せ!真田!」

「何をやっとるんだ!貴様はぁ!すぐにっ銃を下ろせ!」

「離せと言うとるじゃろ!!」

「ッ仁王!!」

ガッ


俺は仁王を殴った

殴られた仁王は銃を離し後ろに倒れた

俺は…こんな時も殴らなければならないのか…!


「何故あんな事をした!仁王!」

「…ッ」

「仁王!」

「丸井、と…ジャッカルが…!」

「な、に…?」

「"あいつ"が丸井とジャッカルを殺ったんじゃ!だから俺はッ!……」

「どうした、仁王…?」

「居らん…さっきまで、あそこに倒れてた丸井とジャッカルと向日の…死体が、ない…」

「何を、言っとるんだ…?」


死体…だと?

丸井と、ジャッカル…?死んだというのか?嘘を言うな。俺達立海は誰も死なないと誓ったではないか!

戸惑っている仁王に最初から全て話すよう頼むと仁王は重たい口を開いた


「さっき丸井とジャッカルが居って…声をかけようとしたら、急に知らない奴が出てきよって…そんで最初向日が殺られて、丸井とジャッカルも逃げようとしたんじゃが…そいつに…!」

「では…お前は…そいつを撃つために、銃を」

「目の前でっ仲間が殺されたんじゃぞ!…俺は何も出来んかった…目の前に居たのに!助けられんかった!!」


目の前で泣きじゃくる仁王を見て俺は何も出来なかった

人は…極限状態に立たされると人格すらも変わってしまうのか?

いつも平然としていて大声を出したり人前で弱音を吐かぬ仁王が…こんなにも泣きじゃくるなんて…

俺は怒りが込みあがり、近くにあった木を思い切り拳で叩き


ダァンッ!

「…見て、いるのだろう…?鈴木三郎!貴様は見ているのだろう!?この状況を!何故貴様等は命を弄ぶのだ!!何故ッ平気で居られるのだああ!!」


何故俺たちがこんな事をしなければならないのだ…俺達は只テニスがしたかっただけだというのに…

誰でも良い。答えてくれ。何故俺達だったのだ…



ヴンッ

"立海大付属中学校 丸井 ブン太
          ジャッカル 桑原
  氷帝学園    向日 岳人

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キャラが多すぎる…それぞれの話書けない
書けないキャラは飛ばして良いかな?これ1日目の何時頃だろ…もうそれすら危うい…



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