小川side―



ガサガサッ

「江間ちゃん…赤也…真田ああ…」


私の名前が呼ばれてからずっと歩き続けてる

もう全員呼ばれたのかな?…一人は怖いよ、誰か…


「……?」


ふと地面を見ると…………


"小川さんへ
この先の大きな岩の前で待ってます。
松尾より"


「…江間ちゃん…」


待っててくれるのは嬉しいけどこんな堂々と書いちゃ駄目だよ!!

誰かが見てたらどうするの!?危ないじゃん!あ、でもやっぱり凄く嬉しい!

私は書き残した言葉を足で消して大きな岩の所へ行った


「は、はぁ…江間ちゃん!!」

バッ

「へー江間ちゃん友達待っとるんやねーウチもユウ君の事待っとるんよ」

「一人は寂しいですか?」

「そりゃあね…こういう時一人って寂しいわね」

「じゃあ私も一緒に待ちましょうか?」

「あらー!良いの!?んもう!江間ちゅあん大好きー!」


ズサアアアアアッ!!

明らかに一人じゃなかったあああ!

でも、怖そうじゃない人だから安心した!


「あ、小川さん」

「江間ちゃん…!」

「あら、待ってた子来て良かったわね」

「ど、どーも…立海の小川由紀子です」

「ウチは四天の金色小春や。よろしゅうね由紀子ちゃん」

「あの小川さん。金色さんのお連れの方がまだ来ていないみたいなのでまだ少し待ってて良いですか?」

「う、うん。私は良いけど…でも隠れなきゃ危なくない?」

「そうね。ここ結構見えるところやから草陰とかに隠れたほうがえぇかも」


3人で草陰に隠れる事にした

あ、そういえばもうすぐで朝の6時だ。説明では6時と12時にそれぞれ放送するって言ってた


「金色さんは、その一氏さんに何か待ち合わせ場所とか教えたんですか?」

「由紀子ちゃん。愚問ね…ウチとユウ君は強い絆で結ばれとるんよ!ウチが愛の電波を流せばユウ君は来るわ」

「…は、はぁ」


そんな訳ないでしょ…

と、思った矢先、


「小春うううう!!!」

「えええ!?本当にきたあああ!?」

「ユウくうううん!!」

「…凄いですね。愛の電波というものは」

「恐ろしい」


怖いよ…大体あの二人って男でしょ?

…ホモですか?そこはあえて聞かないでおくけど


「会いたかったわぁ〜んユウ君!」

「俺もやで小春〜!」

「…衆道ですか」

「え!?」

「いえ」

「小春と一緒に居ってくれたみたいやな。おおきに!」

「い、いえいえ」

「にしても松尾もえぇとこあるやん。初めて見た時ロボットかと思うたけど"普通の人間"やな!」

「んもうユウ君。女の子に失礼じゃないの!」

「…あはは」

「…普通の人間…」


…あれ?江間ちゃん…

どうして…思いつめた顔するの?

〜♪♪〜〜♪〜


『!?』

「これ…放送や」

≪はーい皆さーん!全員が出発して1時間経過しましたねー!どうかな?ちゃんと殺し合いしてるかなー?≫

「…出来る訳ないじゃない…!」

≪それじゃあ現在の死亡者発表しまーす!≫

「え」

「う、嘘やろ?こんなゲームに乗った奴おるんか!?」
≪まず、青春学園の乾貞治君と河村隆君。氷帝学園の鳳長太郎君と宍戸亮君。四天宝寺の石田銀君でぇーす!≫

「…嘘、やろ…?」

「し、師範が…!」

「もう、5人も死んじゃったって事?」

「…」

≪それじゃあ次は禁止エリア言うからねー。A4、D10、F2、H8、だからねー!それじゃあ頑張ろう!≫


立海はまだ誰も死んでいなくて凄く安心した

でも…四天の人が一人…金色さんも一氏さんも悲しんでた


「くそっ誰が殺したんや!」

「…」

「早く終わらせないといけませんね」

「え、江間ちゃん?」

「何するん?」

「私達はここから別行動を取らせていただきます」

「そう…」

「…大切な方が居なくなるという事はとても悲しい事です…これ以上居なくなるのは駄目です」


江間ちゃん…


「ほな、ここでな」

「はい。お二人とももお気をつけて」

「江間ちゃんも由紀子ちゃんも気をつけてな」

「絶対死んだらアカンぞ」

「はい」


私達は金色さんと一氏さんと別れて歩き出した

まずはみんなと合流しないとね

どうして人は簡単に命を落とせるのでしょうか?

私達はみんなかけがえのない命なのに…どうして、無駄に出来るのでしょうか?

その答えは、誰が知っているの?










ザザッ!

「はぁはぁ!小春!」

「はぁ!…、ユウ君!」

「小春ッ…ま、待てやああああ!!」

「え……あ゛」

ザンッ

「小春ううううう!!!」

ザンッ!--ドサッ

「…これで7人、か…気が遠いなぁ」





ヴンッ

"四天宝寺 金色小春
     一氏ユウジ 死亡"


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