越前side―



「…」


只森を歩くだけ

ゲームに乗るも乗らないも、殺らなきゃ先生が殺される

俺も何とかしたいけどさ…


「武器がこれって…武器じゃないじゃん」


これ、所謂GPS機能みたいなやつ?どこに誰が居るか分るやつ

何?これ見ながら逃げ続けろっての?馬鹿にしてるでしょ


「………あれ?」


そういえば…この機能に、乾先輩の名前が載ってない

四天の石田って人も……まさか


「誰かが殺したって事?」


色々な事が頭の中で流れ出す

嘘…え、本当に死んじゃったの?嘘でしょ?


「…誰が殺したんだよ…」


先輩を…乾先輩を殺したのは誰だ?

…あの松尾って人?そう言えばあの人一日で終わらせるとか言ってたよね


「…武器のない俺でもいけるかも」


向こうだって手ぶらなんだ。大丈夫

それに力なら男の方が上だって言うでしょ?…乾先輩の仇…


「あっち、か」


ザッザッ

別に俺は乗ったわけじゃない
でも、仇は討ちたいんだ…――


ガササッ!

「!?」

「…あ」

「アンタ…確か、四天の」

「財前や。そういうお前は青学の」

「越前だけど」


いきなり茂みから出てきたのは四天の財前さんだった

驚いたじゃん…全く


「どこ行く気や?」

「さぁね。どこだって良いじゃん」

「…」

「じゃーね」


カチャッ

…背後に嫌な空気が流れた気がした

俺、頭に銃突きつけられてる?


「ねぇ、何の真似?」

「これ…そういうゲームやろ?」

「そうだね」

「誰か死なんとオサムちゃん助けられへん」

「それこっちも同じなんだけど」

「…」

「……俺、まだ死ねないんだよね」

「は?」

「先輩の仇…打ちに行かなきゃ」

「…もう誰か死んだんか?」

「俺の武器、GPS機能なんで誰がどこにいるか分るんだけど…乾先輩の名前が表示されないって事は死んだって事でしょ?」

「…」

「あー後、あんた達のところの石田って人も載ってないから死んだかも」

「なっ…先輩…が?」


さっきと明らかに表情を変え、信じられないという顔だ

ゆっくりと突きつけてた銃を下に下ろして


「…お前は…誰が殺したかわかるんか?」

「俺は松尾って人だって思ってる」

「あーあの立海とこの?」

「そう。あの人言ってたじゃん。このゲーム一日で終わらすって」

「…まさか」

「もしかしたら、ね」


財前さんは何か考えてた

俺はその隙に行こうと歩き出したら


「待てや」

「…」

「…俺も行く」

「え」

「俺も先輩の仇取りたいし…それにお前手ぶらやろ?」

「…へぇー」

「せやけど協力するんは仇取った時までやから」

「じゃあそれまでよろしくっす。財前さん」

「おん」


俺は誰かを殺したいとか思ったりしない

殺人者にもなりたくない。只テニスがしたいだけだった

でも…先輩を殺されて黙ってる後輩って居ないでしょ?

うちの先輩は煩い先輩もいるけど、みんな良い人だから…だから乾先輩の名前が載ってなかった時凄く怒りを覚えた

俺、もしかしたら殺人者になっちゃうかもしれないけど…だけど許されるよね?

だって…先輩の仇打つだけなんだから


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…財前、あれ?財前…←
普段先輩達と話してる財前しか思い浮かばず、後輩と話す財前これで良いのか?



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