変われる勇気をください


※男性恐怖症な半田



 ――男なんか嫌いだ。
 そういう自分も男という性別に生まれてきたのだけど。

「半田〜」

 自分を呼ぶ声に寒気を覚えて逃げようとするも間に合わず、後ろから来た人物に抱きしめられた。

「や、やめろっ……!」

 俺は震える声でそう言って、相手を引き剥がす。

「一之瀬……、やめろって言ってんじゃないかよっ」

 男が怖い。
 嫌いなわけじゃないけど、昔、ちょっと父親と――思い出すだけで吐き気がする。

「だって俺、半田と仲良くなりたいんだもん」

 そう言ってこいつは――一之瀬は嘘のない笑顔を見せる。

 本当はわかってる。
 サッカー部の連中は――今、こう言ってくれる一之瀬が悪い奴じゃないってことは。

「……む、無理だよ。反射的に反応しちゃって……怖いんだよ」

 声が震えてる。
 一之瀬の顔が見れないから俯いていると、頭を撫でられた。
「ひっ……!」

「半田。落ち着いて。何もしないから」

「ほんと……?」

「あぁ。半田は頑張ってるよ、前ならちょっと触っただけで駄目だったのに今は大丈夫じゃん。……半田ならきっと克服するよ。みんな信じてるよ、もちろん俺も」



 ――変われる勇気が欲しい。
 そしたら……。


……………………………………
半田の過去は捏造です。まあ何があったかは皆様にお任せということで。

Title by_流星ごっこ
 


prevnext



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -