この出会いはそう


 
 こんにちは。

 半田真一です。今、俺は松野たちと一緒に、円堂たち――イナズマジャパンの応援にライオコット島に来ています。

 そしたらどうやら俺は、恥ずかしながら一緒に来ていた松野たちとはぐれて迷子になっているようです。

 しかもさっきからとある人物に間違えられて大変なことになってます。

「フィディオさんっ、サインください」

「私、フィディオさんの大ファンなんです」

「フィディオ! 少しインタビューしてもいいかい?」

 どうやら俺を彼の有名な人物と間違えているらしい。

 その人物――フィディオ・アルデナはイタリア代表の選手で『イタリアの白い流星』という異名を持つ有名人。そして俺の憧れの選手でもある。

 そんな憧れの人物に間違えられるのは少し嬉しい気もしなくはないが、やっぱりそれはフィディオに失礼だ。俺のようなどこにもいそうな平凡なんかに間違えられるなんて……。

 俺が何度も違うと答えるも彼らは信じてくれていないようだった。

 言葉の壁もあり、次第に周りの空気は悪いものに代わりつつある。

 もうどうしたらいいんだろう。泣きそうになったその時だった。

「お、おい……! フィディオが二人いるぞ!?」

 声がした方を見ると、そこにはイタリア代表のユニフォームに身を包んだ少年が歩いて来た。

「キミ、大丈夫? あ、ちょっと通してください」

 その少年は俺の手を掴むと、その場から離れた。

「あ、あの……助けてくれてありがとうございます」

 少年はいきなり足を止めると、俺の顔をじーと見てきた。

 綺麗な青の瞳だなとか、言うほど俺と相手は似てないと思うけどな、むしろ彼の方がかっこい。

 って、あれ……この顔どこかで。まさか、だよな。

「俺! フィディオ・アルデナ。よかったら付き合ってくれないかい?」

「……は?」

 これが俺と“あの”フィディオの出会い。
 


――――――――――

この時、フィディオさんはマジ1000%で半田を女の子と勘違いしてる。


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