その笑顔が綺麗で、僕は


 
 最初はただのチームメイト程度にしか思っていなかった。ただ、あの時、キミが見せたあの笑顔。その笑顔があまりにも綺麗で、可愛くて……すごく印象に残ってる。その日から俺はキミに興味を持ち始めたのかもしれない。

「はーんだっ」

「……なに、一之瀬」

 俺はきっと半田に嫌われているのだろう。だってフッと現れて、彼の居場所を奪ってしまったから。

「一緒に練習しようよ」

 彼の前にずいっとボールを出す。半田は困惑の表情を浮かべて辺りを見渡すが、既に松野も土門も別の人と組んで、練習をしていた。だからなのか半田は「俺でよければ」と返答した。

「ねぇ、一之瀬」

「なに?」

「最近、なんで俺に構うわけ? 俺なんかより、豪炎寺や染岡たちとやってた方がお前の身になんじゃねーの」

 ボォン、とボールを蹴りながら半田は言う。きっと半田は知らないのだろう、俺が半田がこっそり練習してるのを知ってること。

「そんなことないよ、半田と一緒に出来て嬉しいし。それにね、半田。自分のことそこまで言わなくてもいいと思うよ」

 半田が頑張ってること、俺は知ってるから。そう俺が言うと半田は驚いたように目を丸くして、俺を見る。

「あ、ありがと……一之瀬」

 驚きながらも、うれしそうに笑う半田の笑顔は、とても綺麗だった。

(いつかキミと一緒にフィールドに立ちたい)
(それまで待ってるから)
(頑張ってよね、半田)


提出→一半Wedアンソロ企画
 



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