Happy★happy! Valentine's Day


「虎徹君、はい!」
「なに?」
友恵ちゃんに渡された小さな箱
何だろうとその箱を見つめる
「も〜今日が何の日か忘れたの?」
「今日?…あ!」
「思い出した?今日は―――」
「ヴァ……ってえ!」



Happy★happy! Valentine's Day



勢い良くベッドから転げ落ち、盛大な音を立てる
見慣れた天井を眺めて夢だと気付く
「随分懐かしいのを見たなあ」

起き上がり、置いてある妻の写真を見て笑う

「そうか、今日って…」

―ヴァレンタイン―
巷では、すっかりイベントムード
色んな店でハートやらチョコレートが並んでいる
自分にはもう縁の無いことだなあと思いつつ店の前を通過する

「タイガー!」
「ん?」
トレーニングルームに行くとブルーローズに呼ばれて包みを渡される

「なに?」
「なにって…」
「チョコだよ〜。はい、僕からも!」
「私からもはい」

そこにドラゴンキッドとファイヤーエンブレムも現れ、それぞれに包みを渡される

「おーありがとうな!義理チョコ?だか友チョコ?だよな」
「ぎ…そ、そうよ!アンタなんか義理に決まってるじゃない!貰えなさそうだから寂しいだろうと思ってこの私がわざわざ用意してやったのよ!」
「寂し?!…そうだよな…俺なんてな…」
「あ、僕はいつもお世話になってるからだよー」
「そうかそうか。でもほんとありがとな〜」

二人の頭を撫でて、ファイヤーエンブレムにもお礼を言う

「ありがとな」
「いいわよ。皆にもあげてるしねvお礼は倍返しでよ・ろ・し・く」
「それが狙いか…」
「冗談よ」

冗談に聞こえない…。と思いつつもも世話にはなっているから何かしら例はしないとな。と考え3人と別れた

「あ、タイガーさーん!」
「おお折紙!とスカイハイも一緒にどうした?」

次は折紙とスカイハイに出会った。二人にも小さな包みを渡される

「僕たちからもタイガーさんにいつもお世話になっているお礼です!」
「今朝テレビで友チョコとやらを見てね。お世話になっている皆にあげようと思い配っているんだ」
そういえば店にも書いてあったなあと今朝の事を思い出す

「律儀だなあ。でもありがとな。俺もなんかお礼しないと」
「そんな!気にしないでください」
「そうだぞ!私たちがあげたくてやっているだけなんだ!気にすることはない」
「いや、俺も世話になってるからな。今度俺からも世話になっているお礼って事で持ってくる」

二人には何が良いかなと考えていると何やらトレーニングを頑張っているロックバイソンを見付けた

「なーに張り切ってんの?アントン」
「ああ、虎徹か。いや、ほら今日は…」
「なるほど。アントニオ君はチョコが欲しくて頑張っている訳だ」
「なっ!そうゆうお前こそ手に一杯貰って嬉しそうじゃねえか」
「まあ、義理でもね。こーゆうのは嬉しいっしょ」

少し話して相棒の姿を探す。いつもなら俺より早いのに。

「遅くなってすみません!色んな方に捕まってしまって…」

息を切らして来たバーナビーの手には沢山のプレゼント
男としては羨ましく、相棒としては自慢に思う
でも、なんだか胸の辺りがモヤモヤする

「虎徹さん?」
「あ!わりい…。さすがKOH!でもそのままだと邪魔だろ?一回ロッカールーム行こうぜ」

さっき貰った自分の物も持ってロッカールームへ移動する

「虎徹さん怒ってます?」
「へ?な、なんで?」
「さっきからあまり話してくれないので…」

シュンとするバーナビーを見て、きゅんとする。あれ、もしかして俺…

「それ」
「?」
「バニーちゃんが沢山貰ってるの見てヤキモチやいたみたい」
「え?」
「俺結構好きみたい。バニーのこと」
「え?!」

驚くバーナビーを見て笑みが溢れた
こんな事ならチョコとか買えば良かったかなあ

「こ、虎徹さん!それ本当ですか?!」
「ほん…」

急に抱き締められ、手に持っていたチョコが落ちる

「嬉しいです。僕…僕も虎徹さんの事が好きです」
「はは、両想いだな〜」

抱き締め返して、改めて気持ちを確認する

「今度、チョコあげるから…本命だぞ!」

嬉しそうに笑うバーナビーを見て、やっぱり好きなんだな。と思った
















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