「ナマエ、今夜飯でもいかないか?」

暇だったのでネアポリスのいつものレストランに顔を出せばブチャラティとアバッキオとナランチャがいたので声をかけて席へ座った。雑談とナランチャの宿題を手伝いながら時間を潰していたらブチャラティがディナーへ誘ってきてくれた。
「Bene!さすがブチャラティ」
両手を合わせて握り喜びをあらわにすればブチャラティが頬を緩める。

「良いなあオレも行きたいぜ〜ナマエ〜ブチャラティ俺も連れてってくれよお」
「お前は宿題終わらせてからな」
「なんでだよアバッキオ〜!」
聞いていたナランチャがいいなぁと声を上げるのでアバッキオが横から宿題に指を差す。たしかにこの量は夕飯までには終わらないだろうな。せっかく学校に通えているのだから、宿題をさせないわけにもいかない。

「明後日また来るからその時は2人で食べに行こうナランチャ」
項垂れ机に突っ伏したナランチャの頭を撫でて頬へキスをすればパッと顔を上げてにっこりと笑い、頷いた。本当に可愛い子。

「じゃあ18時になったら行きましょ」
「そうだな。じゃあ悪いがアバッキオ、あとは頼んだ。ナマエ、電話してから車を店の前に持ってくる」
「はーい」
ブチャラティがいなくなり、ナランチャがトイレ行ってくると消える。アバッキオと久々に2人きりになりジッと見つめると首を傾げられた。

「どうした?」
「いや?アバッキオも行くかと思って」
「わざわざお前らの間には入らねぇよ」
「ふーん」

目の前に置かれている紅茶を飲みながらナランチャの宿題を眺める。もうこんな計算だとかは忘れてしまったわ。
「なあ」
「ん?なに?」
「お前、ちゃんと食ってんのか?」
「…何よ急に…」

持っていた雑誌を眺めながらアバッキオが聞いてきた言葉に面を食らう。私に気を使ってくるなんて珍しい。
「どんな関係だろうとあんまりブチャラティに気を使わせるなよ」
「…」
なんだアバッキオにもバレていたか。そりゃブチャラティが最近よく声をかけてくれると思った。最近食欲がなくてまともに固形物を食べていない。少しやつれていただろうか?ナランチャには気づかれなかったのに。心配していると認識したのでアバッキオを見つめて投げキッスをする。

「じゃあアバッキオも私のこと甘やかしてよ」
「…考えといてやる」
甘やかして、そういえばアバッキオが嫌そうな顔で私から目を逸らした。口だけ野郎め、と口を尖らすと席を立ったアバッキオが私の頬にキスをしてから頭を撫でる。

「お前を甘やかすのは骨が折れる」
「…ばーか」
「会計してくる」
「はぁい」

なんだかんだでみんな私に優しいんだよなぁ。