三蔵の夢、血の匂い、狼の捕食
玄奘三蔵法師にとってそれは新しいものだった。夢の中に出てきた観世音菩薩 がこの先にいる青い髪の青い眼帯を着けたコトノという少女と狼のコロネを加えて旅をしろと言ったのだ。そんな少女何処にも居ねぇじゃねぇかと考えていた。
「八戒~俺もう疲れたよ~」
「我慢してください悟空、この森ではジープは通れませんから」
「あれ?なぁ!!血の匂いがする!!」
そんな匂いを嗅ぎとった孫悟空は走り出してしまった。
「おい!!待てよ悟空!!」
少しした所で立ち止まった孫悟空。
「どうしたんだよ、いきなり走り出すし、立ち止まるし…変なモンでも拾い食いしたか?猿」
「猿って言うな!!それよりアレ!!」
悟空が指差した先には、見た目はぬいぐるみのように可愛らしいが全長2m半くらいありそうな大きな狼と青い髪の少女…そして積み上がった妖怪の死体。少女は岩の上に座り、クッキーを食べ、狼は妖怪の死体を食べていた。
「なんだ…あれ…」
放心状態だった悟浄がぽつりと言った。そして、一瞬の瞬きのうちに少女は消えた。
「え?」
「おにぃさんたちもコロネのおやつ?」
少女は後ろに立っていた。小さくなった狼と共に。
「それとも、あたらしいおもちゃ?コロネ、12ばん」
狼が刀に、帝具【八房】になった。
「お前が、コトノか?」
静寂の中尋ねたのは三蔵だった。
「うん、わたしがコトノ。こっちはコロネ、わたしのかぞくで、ていぐなの。おにぃさんは、げんじょーさんぞーほーし?」
「あぁ、俺が玄奘三蔵法師だ。」
「三蔵、彼女は…?」
八戒が尋ねた
「仏が此奴らを仲間に加えろと言っていた。」
「そうなのか?!お前今日から仲間なのか?!オレ、孫悟空!!!!宜しくな!!!!」
「へぇ…俺は沙悟浄っての,宜しくね♪かわいこちゃん♪」
「三蔵、本当に良いのですか?そんなにあっさりと…」
「仏からの指示だ。」
「そうですか…僕は猪八戒です、よろしくお願いします。コトノさん」
「宜しく?お願いします?」
こうして、三蔵法師一行とコトノ、コロネは共に旅をすることになった