ベッドでおどる?

仮部屋にて


「っじゃーん!『おいちょ』だぜ『おいちょ』!!」

 その頃、悟空・悟浄・八戒は、トランプを代用に花札をしていた。

「僕『かぶ』です」

「てめー何度目だよッ!?」

悟浄がまたかよと、ムキになる。

「またコトノお菓子食ってる!!俺にもくれよ!」

「しんでもいいなら、たべていいよ。これみためはおかしだけど、ほんとうはおくすりだから。」

「え"…でもコトノちゃんは生きてるよな…??」

「うん、私はしねないから。ぱぱがいってた。私はさいこうけっさくだって。"しねないからだ"とひきかえにこの"くすり"をたべないと、しよりもひどいめにあうよって。」

「コトノって何者なんだ?!」

「ぱぱはね、てーこくいちのかがくしゃで、私で"ふろーふし"の"にんげんへーき"をつくる"じっけん"をしてたんだよってエスデスおねえちゃんはいってた。その"せいこうひけんたい"の私はコロネを"てーこくのしょーぐんさま"にもらったの。コロネをつかうひとは"さんねん"でしんじゃうんだって。私はしなないから、これをつかって、てーこくの"へいわ"をまもるんだって。」

「へぇー…あっそういや八戒!!てめェ勝ち逃げすんなよ!!」

「あと1回って言ったのてめェだろ!?」

三蔵は騒ぎ出した悟空と悟浄を見て思う。

「ありゃ」

八戒もまたですかと呆れ気味になる。

「んー?」

 外が騒がしくなってきたことに悟空が気づき、五人は窓の外に目を向けた。

「ああ…先刻、団体客の予約があったと言っていました。旅の一座だそうですが…」

「踊り子の姉ちゃん達、イケてんじゃん。俺のベッドでも踊ってもらうか?」

と、問題発言をする悟浄に…

『ピー』
「教育的指導」

と、八戒が警笛を吹き、悟浄に黒い笑みを浮かべ言う。

「ベッドのうえでどうやっておどるのー?」

「コトノちゃん興味ある?なんなら悟浄さんが教えてあげるぜ?手取り足取りな」

「何言ってんだエロ河童!!!!!!!!」

「グルル"ルル"ル」

威嚇するコロネ

「コトノさんはまだ知らないままでいいんですよ♪」

「悟浄みたいな大人になったらダメだぞ!!」

「俺の扱い酷くない?…で、今夜どーすんの?団体客が入ったから、個室は余ってるって朋茗が言ってたぜ」

「…そうだな…俺達はいつ何時、妖怪のふい打ちを食らうかわからん。なるべく寝食共にするのが、得策だな」

と、真剣な顔で三蔵は口を開いたが…

「――と言いたいところだが宿屋に来てまでコトノは兎も角、野郎の寝顔は見たくない。解散!!」

と、言った。

「みなさん自分に正直ですね。おやすみなさい」

「おやすみなさーい」

「きゃあ」




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