「さて…急で悪いが今日は君らに…」
また試験(テスト)だったら面倒だなァ
「学級委員長を決めてもらう」
「クソ学校っぽいのキター!!」
「それから、このクラスに教育実習生が来た。入れ。」
入って来た人物を見て、俺と太宰は目を見開いた。そこには国木田独歩がいた。
「くに、き、だくん…?」
「太宰…?」
国木田も、目を見開いていた。そして、気を取り戻したように
「国木田独歩だ。教科は数学を担当する。宜しく頼む。」
皆が好奇の目を向ける中、相澤先生は
「質問なら学級委員を決めてからやれ。」
と云い放った。
全員が手を挙げてやりたいようだった。
「静粛にしたまえ!“多”をけん引する責任重大な仕事だぞ…!『やりたい者』がやれるモノではないだろう!これは投票で決めるべき議案だ!!!」
梅雨ちゃんの信頼も糞もねェと云う意見も、尤もだと思ったが飯田の発案の多数決を取ることになった。
結果は緑谷が委員長、八百万が副委員長となった。
次に国木田への質問に入った。
「国木田先生の個性って何ですかー!?」
「独歩吟各と云う。」
「中也、中也」
「あ"?」
「独歩吟各!!!」
俺は太宰を力一杯殴った。授業が終わり、俺と太宰は国木田の元へ行った。
「くぅにぃきぃだぁくぅぅぅん???」
「矢張り貴様は太宰だったか。」
「今は相澤だけどね。」
国木田…前世で俺に告白をして来た奴…
「中原、」
「国木田…今は麗日だ。手前は変らねェな」
「俺の手帳には、今日、貴様と太宰そして与謝野さんと再会すると云う予定は無いのだが…」
まだあの理想手帳を書いていたのか。
「中也、」
太宰は俺の手を握った。とても強い力だった。
「国木田俺達はそろそろ行く。」
俺は太宰の手を引いて歩いた。
「中也、私今結構嫉妬しているのだけど。」
「手前の事情なンか知るか。」
「余り私以外の男と一緒に居ないでくれ。」
気持ち悪い。太宰の甘える様な猫撫で声が癪に障る。此奴の濁った様な瞳が気味が悪かった。