「相澤くん、おはよう!」
「おはよう、麗日さん中菜」
びくりと自分の肩が跳ねるのを感じた。
相変わらず太宰は気味の悪い笑を浮かべていた。それはまるで俺への悪戯が成功した様なそんな笑。
「大丈夫?中菜!顔色悪いよ?」
「えっあゝ大丈夫、心配するなお茶子…」
「私が保健室へ連れて行くね」
太宰は俺の手を引き人目に付かない場所に連れて来た。
保健室とか嘘じゃねェかよ。
「昨日のはどう云う事だ」
「中也、私は君が好きなンだ。」
太宰の甘ったるい猫撫声に吐き気がした。
「何時からだ…」
為るべく平然とした態度を保った。
「自覚したのは中也が死んでから。でも好きになったのは私と中也が双黒と呼ばれるようになった日辺りかな。」
太宰はとても哀しそうに笑った。
「…で?手前はどうしたいンだよ」
「私と付き合って欲しい。私に守らせて欲しい。今度は汚濁で死なせない。色ンな事をしたい」
「あゝ、手前に付き合ってやる。」
何故か大嫌いな太宰に想われていると思うと嫌な気持ちには成らなかった。
太宰は噛み付くような接吻をした。
「ん…太、宰」
「教室に、戻ろっか。」
また太宰は俺の手を引いた。
これから俺と太宰の交際が始まった。