中也が死んだ。

それは突然の知らせだった。死因は結核。中也30の時だった。先日は黒蜥蜴の立原が死んだ。立原も結核だった。

「起きろよ中也
私を殺してくれるンじゃ無かったのかい?
なぁ中也…ちびっ子マフィア…双黒(小)帽子置き場…

死んで見ると、やっぱり中原だ、ねえ。段違いだ。立原は死んで天才ということになっているが、君どう思う?皆目つまらねえ」

涙は出なかった。
その時私は分かったのだ今迄中也に抱いていた感情を。之は恋。私は中原中也を好いていたのだ。

「首領、その帽子は私に入れさせて下さい。」

「太宰くん…」

「中也の馬鹿…綺麗だよ中也」

「中也…親よりも先に逝く子があるかッ!!」

嗚咽を上げる姐さんに、下を向き唇を噛む梶井…中也君はとても愛されていたよ。

葬儀の後。私は家で首を吊った。
それでも死ぬ事は出来なかったのだ。

「どうして逝かせてくれないんだ…
中也…来世でもまた相棒に…次は守るから、汚濁をきちんと止めるから…中也…」

私は一人で涙を流した。

私が死ねないのは、まるで中也が死なせないと止めているようで虚しくなった。

次の朝、私は薬を飲んで死んだ。
中也。来世で逢おう。例え中也がどんな形で転生していても。中也だけは私のものだ。今度は誰よりも大切にして、守ってやるんだ。

中也、愛してる
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