お試し連載
一晩たった後、私は学園長先生とやらの所に行く事になった。おじいちゃんは今頃何をしてるんだろう。如何して司先輩は中枢美食機関(セントラル)なんかに…
「天女様?」
「あの、私天女じゃ無いです…薙切なまえです」
「そうですか…分かりました。では、なまえさんとお呼びしても?」
出来れば名字の方が良いなぁ
「天女とさえ呼ばなければどうでもいいです。」
「そうですか、嗚呼着きましたよ。学園長先生の庵です。失礼します。立花仙蔵です。天女様をお連れ致しました。」
天女様って呼んだ…自己紹介、した方が良いのかな
「初めまして、えっと、薙切なまえです。特技はお茶を入れる事と茶利きです。得意料理は茶葉を使った料理です。」
「天女様」
「あの、私は薙切なまえです」
「では薙切なまえよ、お主の身柄は忍術学園が保護をした。外に行く時はなるべく上級生と行動して欲しい。」
「如何して、見ず知らずの小娘にそんな事を?」
「嘗て、おぬしのような天女が降ってきた。天女はこの学園の情報を持っていた為、あれ以来天女様を保護するようになったのじゃ」
「分かりました。あの、ただ御世話になるのは嫌なので、なにかお手伝いをさせて貰えませんか?」
「良かろう。では食堂の手伝いを頼む。善法寺伊作、食満留三郎。案内を頼む。」
上から二人の男の子が降ってきた。そう云えばこの学園は美男子が多い。遠月も司先輩とかタクミくんとかイケメンだったなぁ。幸に会いたいなぁ。
「昨日ぶりですね、天女様。善法寺伊作と言います。分からないことがあったら何でも聞いてくださいね?」
「初めまして、天女様。食満留三郎と申します。では案内致します。」
食堂に行くという事は、持ってきた方が良いよね。
「あの、部屋に荷物を取ってきてからでいいですか?」
「構いませんよ」
「有難う御座います。それから私は天女ではないので、天女と呼ぶのはやめて下さい。貴方達とあと天井にいる人達、私と学園長先生?の話を聞いていたのでしょう?」
「気付いていたのですね。分かりました。」
「嗚呼、なまえさん、部屋が僕達六年生と五年生長屋の間の部屋になりましたので」
「分かりました。」
いい匂いがする。醤油と味醂それから砂糖。煮物かな?
「食堂に着きましたよ」
「あら?新しい天女様?」
「初めまして、薙切なまえと申します。これからよろしくお願いします。」
「あら、礼儀の正しい子ね、私は食堂のおばちゃん。よろしくね、なまえちゃん。早速だけど、野菜の皮剥きをお願い出来るかしら?」
「分かりました。この馬鈴薯と人参ですよね。少し清潔な服に着替えてきます。」
やっぱし、食材に触る時は、この服(コック服)じゃないと。
「天女様、皮剥き、僕と留三郎もお手伝いします。」
「必要ありません。この量なら3分で終わります」
どれだけスタジエールや合宿でしごかれたか。あの量よりも全然足りない。
「おばちゃん、終わりました。」
「もう終わったの?凄いじゃないしかも全て綺麗に剥けてる。」
「ここに来る前は、料理の学校にいましたので。」
「なら、一品作ってもらおうかしら?」
「分かりました。もし良ければ、善法寺さんと食満さんも味見します?」
「光栄です」
なにを作ろうかな?馬鈴薯と人参で出来る料理。今の私には、能力がある。なら、鶏ササミと茶葉…ヌワラエリアがいいかな。
まずは、ヌワラエリアを入れて沸騰したお湯に馬鈴薯を入れて茹でる。茹で上がったら潰して、ちぎった鶏ササミと和える。摩り下ろした人参と…能力で合挽き肉を出して人参と混ぜる。ハンバーガーにするのも面白いかも。バンズとピクルスをだして。ソースは玉葱と塩、醤油、摩り下ろし大根の和風にして。バンズは米粉パン。丸めた馬鈴薯を合挽き肉に入れる。フライパンがない時代なのか。フライパンをだして、胡麻油でやくその間にソースを作る。バンズに挟んで最後にひと工夫。能力使って出した緑黄色野菜で作った和風ダレを別皿に入れて。
「どうぞ。和風米粉ハンバーガーです。」
「ハンバーガー?」
「パンに、肉や野菜を挟んだ食べ物です。」
「美味い!!」
「まァとっても美味しいわ!」
「それはよかったです。」
「でもこの不思議な風味は?」
「紅茶です。えーと南蛮のお茶です。」
「南蛮茶!」
「最後に、これをかけて食べてください。」
「これは?」
「魔法のタレです。このハンバーガーは少々野菜が不足しているので…それを補う役割を果たします」
「このタレもとっても美味しい!」
私は料理が好きだ。私の料理で笑顔になって貰うのが好きだ。
「なまえさんはとても料理が上手なのですね」
「私が通っていた学校は、漢方…中国の薬草を使った料理を得意にする子や、最新の技術を使った料理や物凄く香りを放つ料理を作る子もいるんですよ。私より凄い子は沢山いますよ。」
「なまえちゃん、明日、生徒の皆にこの料理を出してみない?」
え?