立海での公式ファンクラブは、圧倒的にテニス部が多い。他にちらほらとバスケ部やサッカー部などもあるらしいが、今では逆に希少だろう。
テニス部ファンクラブでは、ファンクラブと簡単に一纏めにされているがそうではない。実際は8つのファンクラブに分かれており、それは現レギュラーの数となっている。そのレギュラー一人一人にファンクラブが存在し、各会員ナンバー01が会長を務めている。そしてそのナンバー01のみを集めた計8人が様々な「テニス部ファンクラブ」としての規約や条約などを定めるという、言わば二段構成のファンクラブなのだ。
なので単体でのファンクラブ内の結束はとてつもなく強い。ちなみに人数も半端ではない。
最も多いのは、男子テニス部部長である幸村精市。神の子と恐れられ、テニス界では知らない者はいないとも言われている。その儚い様は女性にも見間違えてしまう程で、花が咲くような笑顔にやられてしまう女生徒続出…らしい。
通称、「魔界系男子」
会員数は128人だが、何故魔界系男子なのかは不明である。
次に多いのは、コート上の詐欺師仁王雅治。何を考えているのかわからないミステリアスさや、その色気漂う姿にＫＯされる女生徒が多々。
通称、「ヒヨコ系男子」
会員数は96人だが、これもまた何故ヒヨコなのかは不明である。聞くところによると彼の口癖らしい。…ヒヨコが？
そして次に多いのは、漢漂う立海の皇帝真田弦一郎。どうやら彼の場合は女生徒だけでなく男子生徒からも支持が多いらしい。なんでも男らしい！いや、漢だ！との事。
通称「たまらん系男子」
会員数は75人だが、何がたまらんのかわからん。
以上が上位3人である。他にも「お菓子系男子」やら「紳士系男子」、「赤目系男子」や「ファイヤー系男子」などなど。
ちなみに、我らが柳蓮二様は通称「菩薩系男子」と謳われている。ナイスネーミングセンス！今は肉食系だの草食系だの言われてるけど菩薩系男子だからね、菩薩系！と流行らせたい気持ちでいっぱいなのが私である。
また柳くんのファンクラブ会員はお姉さま系やら大人しめの子が多いのが特徴だ。結束はかなり強いと思うが、如何せんジャッカル会員には負けてしまう。ある意味危機だからね。
ちなみに私はジャッカル以外のレギュラーの名前と顔は一致していない。全く興味の欠片もないからだ。私は柳くんを見守る事ができるならなんだっていいのである。
「苗字顔やべえぞ」
「…ハッ、いかんいかんありがとうジャッカル」
「また柳だろ。すぐ顔に出るからな、お前」
「えへへそれほどでも」
「いや褒めてねえよ」
呆れたような顔のジャッカルはもう慣れたのか溜め息を吐きながら苦笑している。我ながら良くできた友人だと思う。
「私ジャッカルが友達で良かったよ」
「な、なんだいきなり」
「話聞いて貰えるし、柳くんの情報くれるし！」
「(…だと思った)」
ああ、早く放課後にならないかなあ。