わが恋は、 | ナノ

一瞬でもかっこいいとか思った私、今すぐしんでこい。ぎりりと噛み締めた歯からはけたたましい音が聞こえたがそんな事はどうでもいい。
現在、私は青峰宅に遊びに来ている。「ちょっと寄ってけよ」と試合で疲れているにもかかわらず彼はそう私を誘ったのだ。断る理由もなかった私はじゃあ…と言いながら青峰宅にお邪魔した。実は青峰の家にはこれまで何度か遊びに来ていてさほど珍しい事はないのだが、どうやら今日に限ってそれは違ったらしい。


「…へーえ、巨乳☆天国…ねえ」


先に部屋に行っててくれと促した青峰の言葉に甘えていつも通りに階段を上がって部屋に入ったまではよかった。しかし、崩れたベッドの上にヤツはあったのだ。そう、エロ本である。確かに青峰は巨乳好きと名高い程に巨乳が好きで性にも興味津々なのは連んでいる私も重々承知だ。現に前来たときはベッド下というベタな場所に堀北マイちゃんの写真集を発見した(探したらほんとにあったからね)。
別にエロ本自体に嫌悪感は抱かない、けどもTPOはわきまえろよ。と私は言いたいのである。私の視線の先にあるそれは中身がバッチリ開かれていて、どこの国のAVだと言いたくなる程の格好をした女がベッドで四つん這いになり、いやらしい表情と視線をこちらに向けているのだ。隣に殺し文句であろう台詞がド派手なピンク字で書かれている。


「…何がこの視線で貴方をイチコロ、だっつーの」


思わず雑誌をベッドに叩きつけた。安い殺し文句にあの男はやられたのか。流石、イチコロだったみたいねえとベッドの上に転がる丸まったティッシュペーパーたちを睨み付ける。そして視線を自分の上半身へと移して、思わず溜め息を吐いた。…まじ青峰ころす。



「わりー麦茶しかなか…ってお前何してんの」

「……青峰はこれ見てナニしてたの?」


いいタイミングで部屋に入ってきた青峰ににこりと笑って雑誌を見せつけると、どうやら思い当たる節があったらしく顔面を青く染めた。まあ黒いからわかんないけど。


「ばっ、おま、ちょ、ちが、」

「イチコロにされた気分はどーなんですかねえ青峰さん」

「ちげ、ちげーよ!それは黄瀬から借りたんだっつーの!」

「…黄瀬くん明日シバく。の前に借りた時点でアウトだろーが。ナニやってんの、ねえナニやってたの。てかお前がTバックのひらひらスケスケパンティがお好みだったとは知らなかったわ」

「だからちげーって!第一俺はパンツはヒモ派だっつの!」

「パンツの好みなんざ聞いてねーよ!このおっぱい星人アホ峰!」

「誰がおっぱい星人だ!」


言い合いをしてる中で見えてきた青峰のエロさに、いつか黒子くんから聞いていたピュアさなんて欠片もない事に私は絶望した。聞いてもいないのに下着の好みをペラペラと喋り、胸の話にまで至った瞬間青峰の顔面を殴り飛ばしたのは言うまでもない。その際私の胸に視線をやって素直に謝った青峰に二発目をお見舞いしたのももちろん、言うまでもない。



「俺は別にお前ぐらいのでかさでも許せる」

「しね」

「育てんのだってある意味楽し「しね」
 
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