「カッコよかっただろ」
試合が終わって(私は相手に同情した)、帰り道。黒子くん達と帰らなくていいのかと聞くと、別にという適当な返事が返ってきた(黄瀬くんこっち見てたのに)。
「で、どうなんだよ?」
「何が?」
「お前な…」
「うそだって。かっこよかった」
にんまりと幾分か背の高い青峰を覗き込んでそう言うと、青峰はぴたりと固まってからフイッとそっぽを向いた。
「…だろーな」
「青峰ちょっと顔赤くない?」
「赤くねーよ!見間違いだろ」
「あそっか、黒いから間違えたわ」
「シバくぞ」
「ジョーダンだって。でもほんとすごかったよ、黒子くんも黄瀬くんも緑間も他の二人も。だけどさ、」
「あ?」
「あんたが一番かっこよかったわ」
なんか私告白してるみたいじゃね?なんてけらけら笑いながら青峰を見れば、鋭い目をこれでもかと見開いてこっちをガン見していた。
「ちょ、青峰大丈夫?やっぱ疲れた?」
「…べ、別に、何ともねー」
ハッとしたのかそっけなく言ってガシガシと頭を掻く青峰は未だに視線をあちらこちらと彷徨わせている。
「照れなくてもいーのに」
「照れてねえよ!目ェ腐ってんのか?」
「お、ツンデレなんていつの間に覚えたの?緑間みたい」
「オイコラ誰がツンデレだって?つか緑間ツンデレなのかよ」
「え、知らなかったの?」
「知らねー。つかキモイな」
「キモイとか言うなって真ちゃん泣いちゃうから」
「泣くとかキモイ」
「ちょおま」
結局それからの会話で青峰が照れたりツンデレ属性を発動する事はなかった。でもまあ、新たな一面が見れて得した気持ちになったのは気のせいではない、だろう。