一周年企画 | ナノ
思春期男の空模様


人間、反抗期というのは思春期と一緒に来るらしい。逆に思春期というのは、反抗期と一緒に来る。結局のところ、この二つは切っても切れない紙一重の関係なのだ。

高校生にもなると思春期に更に磨きが掛かって、異性を性的に意識するとかなんとか。ちょっと前の保健体育の授業で先生が熱心にそう言ってた。

うん、黙れハゲオヤジ。

でも確かに周りじゃ彼氏がうんたらとか彼女がなんたらとか言ってるのも聞こえる。
私実はヤっちゃったんだ〜…っていう声も多々。
まぁ…思春期真っ盛りなら発情期が来るのも納得する。

かと言う私もリア充そのものなワケで。



『……修兵』

「んー?」

『どこ触ってんの』



一応彼氏である修兵は、壁を背にして膝の上に乗る私を後ろから抱き締めるように腕を回している。
その手が位置するのは…胸。



『……』

「あー…柔らけえ」



…お前は発情した犬か。



『学校はやめてって…ん、言ったで…しょ』

「そうだっけ?ま、いーだろ」



いや、よくないし。



『て言うか…部活は?』

「あ?んなもんサボりだサボり。めんどくせえ」



…仮にもエースが言う言葉なのか。



『……バスケしてる修兵かっこいいのに』



グッと未だに私の胸の上に乗ってる手を退けながら言うと、修兵は嬉しそうに笑った。



「なまえがそう言うなら明日行く。応援来いよ?差し入れ持って」

『……うん』



ホントは彼女ですアピールとかしたくないんだけど…あんなにキラキラした笑顔を浮かべる修兵なんてそうそう見られるもんじゃない。

…うん、やっぱ好きだなぁ。



「……なァ、なまえ」

『…ん?』



教室から夕日が漏れる。壁際に寄り掛かる修兵にその光が落ちて、まるでその姿が羽のない天使みたいに見えた。



「やっぱ好きだわ」



お前の事。と、振り返って見惚れていた私に照れたように歯を見せてはにかむ。

学ランのボタンを全部外して、中からちょっと派手なTシャツが覗くその姿が本当にかっこよくて。



『……私もだ、ばかやろー』



いつの間にかセーラー服のリボンを抜き取って、学ランの中へと埋まる私に…どこからか余裕な笑みが聞こえた。







「まさかなまえから誘ってくるなんてなー」

『……うるさい』

「可愛いかったなー」『…うるさい』

「なまえ……好き」

『…!』

「もっかい…する?」



……ホントに、思春期の塊なんだから。

そう思いつつもこの甘い言葉に逆らえない私は…結局のところ、この男の思惑通りになってしまうのだ。





▼おまけ



※会話文only
〜放課後のアイツ〜





「くらえ!俺のダンクシュー……あれ」

『おおーっと!檜佐木選手の卑猥シュートが外れたあああー!て言うか掠ってもいない!ぷぷぷー』

「う、うっせー!もうちょっとで届きそうだっつーの!つか卑猥て何だコラ!」

『ムダに動きが卑猥だったから』

「俺ってみだらなの?」

『ちょっとクネクネしないで変態』

「してねーよ。てか何、お前俺に見惚れてたの」

『……』

「……」

『……』

「…なまえ?」

『……檜佐木選手、レッドカードで退場!』

「いやこれバスケだから」



▼おまけ2



※会話文only
〜教えて!しゅーへー先生!!〜





『…しゅーへー』

「ん?何かわかんないとこあんのか?」

『生物わかんないい…』

「あーあれな。でも科学よりマシだろ?」

『……モルって何、周期表って何。アボカドって何ー!』

「いやそれアボガドロ」

『知らん!まだ生物のがマシじゃ!』

「わかったわかった。生物で受験するならやっとかねーとな」

『うん…しゅーへー、教えて?』

「任せとけって。俺生物大得意だから」

『マジですか。しゅーへーさまさまだね』

「だろ。じゃ、教科書32ページ開け」

『はい!しゅーへー先生!』



パラパラ…



『……』

「どうしたなまえ」

『…あの、しゅーへー先生』

「ん?」

『ここ精子と卵の構造なんですけど。てかあなたと合体したいカエルバージョンなんですけど』

「うん」

『イモリバージョンもあるんですけど』

「俺そこ大好き」

『いや、好みとか知らないんですけど』

「俺そこ100点」

『ドヤ顔すんなド変態』

「えっとなー、まず精子ってのは始原生殖細胞になるんだよ。そんでもって」

『やらんでいい!!』







一華さまからのリクエストでした!
企画にご参加くださりありがとうございました!



2011/06/14
2012/03/29 加筆

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