頂き物 | ナノ



※ミキさまより頂きました!





『♪〜』



私は鼻歌を歌いながら長い長い廊下を歩く

向かうはこの城の城主である政宗の部屋



『政宗ー、遊びに来たよ!』



スパン!

少し強めに障子を開ける



『ん…?』



そこに居たのは政宗と幸村



そして、



『佐助かよ…』

「とりあえず俺様、泣くぞ」



文句を言う佐助は無視して私は政宗と幸村に挨拶をする



『おはよう政宗、幸村』

「Good morning,なまえ」

「おはようございまする、なまえ殿!」

『ん。そーいえば政宗はともかく幸村とは久しぶりに会うよね』

「俺様にも俺様にも」

『幸村、元気にしてた?』

「俺様には聞かないんだ」

「うむ!!無論、元気に修行に励んでおりました!」

『そっか!それならいいんだ。政宗はちゃんと執務とかは終わらせてんの?』

「Ofcourse.当たり前だろーが、もぐもぐ」

『あ、政宗!私にも政宗が食べてるずんだ餅頂戴!!』

「OK」

「あ、俺様もずんだ餅欲しい」

『「「駄目に決まってるだろ」」』

「何でそこだけ反応を示すわけ!?それも息ピッタリ!」



佐助は突然ぶわっと泣き出すとズサササと高速で部屋の隅に移動する



「ぐすっ…ぐすっ」



部屋の隅でおいおいと啜り泣く佐助を見て「やり過ぎたな」と反省した私と政宗

そんな時に幸村が一言



「佐助、きもいでござる」

「うわああああああんっ!!」



幸村の一言に佐助の涙腺が崩壊

滝のように涙を流しながらドタバタと部屋を飛び出していった



「おい、猿飛!」

『ちょ…幸村さぁぁぁん!?アンタ、あれは言い過ぎじゃないの!?』

「え…あの…某は己の思った事を、真実をありのままに伝えただけでござるが……?何か、いけなかったでござろうか?」



きょとんと首を傾げる幸村に私と政宗は戦慄を覚える

コイツ、素で言ったのか…!!

だとすると佐助の心の傷は計り知れない



『政宗…』

「なまえ…」



私達はお互い顔を見合わせると頷きあった



『「探しに行こう」』



そう言うと私と政宗は佐助を探しに部屋を飛び出した

「政宗殿!?なまえ殿ォォォ!?」と後ろで叫んでいるS村を置き去りに(戦力外通告)



―――――――――――――



『佐助ー!』

「猿飛ー!」



佐助を探しに城の中を歩き回っている私と政宗

だけど佐助は一向に見つからない

まあ、曲がりなりにも忍だし、そんな簡単に見つかるとは思ってないけど



『あ、そうだ。政宗』

「なんだ」

『小十郎さんに聞いてみようよ』



私の言葉に政宗は「そうだな」と頷く



「よし、小十郎に聞いてみるか」



と言うことで私達は早速小十郎さんを訪ねに畑へと向かった



『小十郎さーん!』

「!…政宗様、なまえ様!何か、この小十郎に用事がおありで?」

「YES.小十郎、お前猿飛を見なかったか?」



政宗の問いかけに小十郎さんはきょとんとした後、「ああ…」と呟く



「猿飛なら両手で顔を覆いながら走り去って行こうとしたので「猿飛、お前キモいぞ」と言ってら、更に大泣きしてどこかへ行ってしまいましたが?」

「おいィィィィ!!」

『な、なんてことを…!!』



ここにもドSがいたァァァ!!

何でこの人達は余計なことばかりすんのォ!!



『佐助ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』

「Ah?おい、なまえ!」



政宗が私を呼ぶ声が聞こえたが私は構わずに走り出した



――――――――――――――



『さ、佐助ぇぇ……』



私は掠れた声で佐助の名前を呼ぶ

一人で佐助を探し始めてから大分時間が経ったが佐助はまだ見つからない



『うぅ…佐助ぇ。私が悪かったから出てきてよー。団子もあげるしずんだ餅もあげるからー…』

「ふーん?ついでに接吻もしてくれる?」

『するする』

「ホント?やったね!!」

『………はああ!?さ、佐助ぇ!?』



驚く私を見て佐助は「そうだよー」とにっこりと笑う



「いやー、部屋にいる時は心が折れて「あ、俺様、生きている意味があるのかな?ないよね、俺様生きている意味ないよね」って思って真面目に自害選びそうだったけど…。はぁー、良かったぁ。なまえからの接吻がもらえるだなんてさ」

『………………』



いやいやいやいやいや

そこまで佐助を精神的に追い詰めたのは悪いとは思うけど…



『接吻はないわぁ…』

「ええ!?するって言ったのに!?」

『佐助と接吻はないわぁ…絶対ないわぁ…』

「そこまで!?約束は守ろうy「調子乗るんじゃねぇええ!!」ぐはあっ!!



ドガッ!!

佐助に肩をガシッと掴まれた時、突然現れた政宗が勢いよく佐助の頭に飛び蹴りを食らわせた

ドガアアアン!

佐助は思いっきり後ろの障子に叩きつけられた



「この糞猿がァァァ!!なまえは俺のモンだろーがァ!!少し下手にでりゃあいい気になりやがってェェェェェ!!逝ねやゴルァァァァァァ!!」



ドガッ!!ドゴッ!!




政宗はとち狂ったようにバキバキと骨が軋むくらい佐助を殴り続ける



『えぇ…私、政宗のモンじゃないし…』

「何か言ったか?なまえ」

『いえ、何も』



佐助の返り血に濡れながら笑顔で問いかける政宗に私は即答する

それを見た政宗はまた佐助を殴るのを再開した

政宗、超怖ぇ

私は息絶えた佐助に心の中で合掌し、静かにその場を後にした



(ただいま幸村…)(お帰りなさいでござる、なまえ殿!…して、佐助は?)(…お空だよ)(………?)







ミキさまよりリクエストで頂きました!
ありがとうございました!



2012/03/27 加筆



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