『阿近さん』
「あ?どうしたなまえ」
『大好きですよー』
「……お前マジでどうした」
カチャカチャと備品を整理しながら適当になまえの言葉に反応してたらこれだ。
『なんか無性に言いたくなっちゃって』
キィ、とイスを回して振り返ればえへへとはにかんだ笑顔が視界に映る。……可愛い事言うじゃねえか。
「珍しいな。お前、そういう事言うのは恥ずかしいんじゃなかったのか?」
と、少し意地悪を言えばむー…とむくれるなまえ。あー…可愛いな畜生。
『……いつも阿近さんに貰ってばかりだから、私もお返ししたいなー…と思って』
顔を真っ赤に染めてそっぽを向く。
「……」
備品はとりあえず後回しだな。
スッとイスから立ち上がりゆっくりとなまえに近付く。それがわかったのかなまえは駆け寄るように俺に抱き付いてきた。
「…!……お前、本当にどうしたんだ?今日はヤケに甘えるじゃねえか」
ギュッ、と細い腕が背中に回る。なんつーか……悪くねえ。
『…今日は、阿近さんに甘えたいんです。……ダメですか…?』
「……」
この体勢で上目遣いはヤメろ。…襲っちまうぞ?
「駄目じゃねえよ。…寧ろもっと甘えろ」
『……はいっ』
阿近さん大好きです!と俺の胸に埋まりながらそう言うなまえ。
俺はソッと耳元に唇を寄せた。
「俺は……愛してるぜ」
そう言った瞬間、耳まで赤くなったなまえの頬に触れるだけの唇を落とした。
……ま、責任は取って貰うけどな。
▼
『阿近さん、そろそろ起きないと』
「ん……あと一時間」
『ダメですよ。……今は阿近さんが甘えたですね』
「………なまえ、もう一回だ」
『じょ、冗談で……んっ』
また美味しく頂かれましたとさ。
油生さまへ捧げます!
勝手ながら記念夢を阿近さんで書かせて頂きました!
もしよろしければお持ち帰りください!
では、これからもよろしくお願い致します!
2011/02/01
2012/03/27 加筆