阿近さんと○○ | ナノ


さて、これは一体どういう事。



『阿近さん阿近さん』

「何だ」

『何で私縛られてるんですか?』

「今から実験するから」

『阿近さん阿近さん』

「何だ」

『何で私は実験台に乗せられてるんですか?』

「実験すんのに何で実験台使わねえんだ?」



その瞬間、研究室に私の悲鳴が木霊した。



『いっ、いやあああああまだ死にたくないいいい助けてええええ!!』

「うるせえ」

『痛い!』



騒いだら阿近さんにしばかれた。理不尽だ!理不尽過ぎる!



「俺だってやりたかねえよ。局長の命令だから仕方なくだ」

『仕方なく私を殺すんですか!?』

「ばかやろう。献血だ献血。お前血取られんの嫌いだろうが。だから逃げねえように縛っただけだ」



ったく人の話ぐらい聞きやがれ。あと実験は冗談だ阿呆。そう舌打ち混じりに阿近さんは呟いて注射器を取り出した。…ああ、そう言えば年に数回そんなのがあったなあ……って、え、注射?



『いっ、いやあああああ!注射、注射だけはやめ…痛い!』

「だからうるせえっつってんだろ。間違えて違うところ刺すぞ」

『阿近さん違う!そう言ってる時点でわざとだから!』

「案外頭いいなお前」

『え、ありがとうございますじゃない!ごまかそうとしてるよね!』



仰向けながら説得する私に阿近さんは無視の体勢に入った。ひどい。
結局、暴れる私の首に手が滑って刺しそう。と脅しかかった阿近さんに私は負けてグサッと血を取られました。…入れる時と抜く時はほんと痛い。ばか。
既に泣いていた私の頭をよしよしと撫でて、「よく頑張ったな」と笑った阿近さんがすごくかっこよく見えたので半ば抱きつくようにダイブしたらまたしばかれました。ほんとひどい。





阿近さんと「注射」




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