技局には、お色気担当のおねえさまが居る。そう、采絵さんだ。乱菊さんとも張り合えるおむねを持った、お色気むんむんなおねえさま。時にはその美貌で男を虜にし、時にはそのおむねで男を包み込み(良い意味で)、言葉は荒くも共に楽園(という名の技局)の淵へ誘うまさに天使…!(ちなみに捕獲された生命体を以降私は見た事がない)
おっと少しばかり話が逸れてしまった。とまあ簡単に言ったら色気って大事なんじゃね?っつー事です。ちなみに私の身体には色気のいの字もない事は十二分に理解しているので悪しからず。
『てことで阿近さん、色気むんむんになる為にはどうしたらいいですかね』
「まずそこに至った経緯を話せ」
すかさず阿近さんがそう言ったので話し出そうと采絵さんの名前を出した瞬間、「ああ、わかった」と制されてしまった。
『おお、阿近さんすごい。わかったんですか?』
「簡単に言や采絵みてえな色気が欲しいんだろ」
『正解だ…!』
采絵さん=色気が成り立ってるんだねふむふむ。…あれ、てことは阿近さんもそういう目で見てるってこと?
「…なにニヤニヤしてんだお前」
『え〜してましたか〜?』
「語尾伸ばすなうぜえ」
阿近さんがガチな顔してたので素直に謝っておいた。
「言っとくが俺はあいつに興味も何もねえからな」
『え、阿近さんまさかソッチ…!?』
「殺すぞ」
『すんませんでした』
だってだって、男の人なら采絵さんみたいな女の人に惹かれるんじゃないの?違う方がおかしいよ。
「つかでかけりゃいいってもんでもねえだろ」
『おおう。阿近さんは量より質派なんですね』
「上手く言えばな」
なるほど…阿近さんは美乳派だったのか。…今日から形マッサージしようかな。
「あと、あいつのあれは偽モンだぞ」
『阿近さんそれ暗黙の了解です』
「何だ、知ってんじゃねえか」
言わなかっただけだよ…!意外と前から知ってたよ…!…捕獲作業手伝った時から地味に恐怖してたんだからね。
「…まあ、別にお前に色気は必要ねえんじゃねえか?」
『へ?何でですか?』
「…色気ってのは、」
そう意味深に言葉を切って私の方へ近づいてくると、阿近さんは私を押し倒すようにソファを跨いだ。
『…!ち、ちち近いです阿近さんっ』
「…ほらな。自覚無しに出るこれを言うんだからよ」
クイ、と顎を掴んで顔を寄せた阿近さんに私は堪らず鼻血を噴射した。
…色気って、深いんだね。
阿近さんと「色気」
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