『第一回技局下ネタ大会〜ドンドンパフパブフェ』
途端に頬っぺたを強い力で押された。私今タコになってるよ。しかも意外に痛いんだなこれが。
『あふぉんふぁんははしふぇふふぁふぁい』
「最後ふぁしか言ってねえじゃねえか」
さぞかし楽しそうに笑う阿近さんは凶悪犯のような顔をしている。冗談だったのに。
『あたた…ちょっとした現世ジョークだったのに…』
「ほう、現世じゃンなモンが流行ってんのか」
『即席ですすみません』
土下座する勢いで謝ったら鼻で笑われた。手厳しい!
「で、何か用か」
『別になにも…あああ嘘です阿近さんに会いたかったんです』
ギロリと睨み付けてくるもんだから冷や汗出ちゃったじゃないか、阿近さんのあんぽんたんめ。
「よし、お前台に乗れ」
『すみませんでした』
今日の阿近さんすごいね、ノってる。流石!
地べたに頭擦り付けてたら溜め息が聞こえて、顔を上げると阿近さんが苦笑いしてた。
「俺の心配、してくれたんだろ?」
『……ばれました?』
「バレバレだ」
馬鹿、と毒づく阿近さんの表情は明るい。ソファに腰掛けた阿近さんの隣に私も一緒になって座ると、肩に阿近さんが寄り添ってきた。やばい鼻血出そう。
「…久しぶりに上手く行ったんだよ」
『……はい』
「行けたと思ったんだけどな…」
阿近さんはそう言ってゆっくり目を瞑った。
断片的にしか知らないけど、どうやら阿近さんは局長に何か仕事を任されていたらしい。それが終わって結果を渡しに行ったら、それがどうも局長の思ったものではなかったらしく、理不尽な小言までぐちぐち言われた挙げ句に暫く仕事は任せないと言ってきたとか。…局長おまっ。
『…いいじゃないですか、お休み増えて』
「……ああ、そうだな。…わかってる、くだらねえ事でうじうじしてんのはよ」
『……くだらなくなんか、ないですよ』
「…ありがとさん」
ふ、と空気が和んだ。ちょっと調子に乗って、空いてる腕で阿近さんの髪を撫でてやると案外嫌ではなかったらしく、寧ろ撫でろと言ってきた。こんな事なら局長の反抗期がずっと続けばいいのにと思った。
『阿近さんかわいい』
「…うるせえ」
阿近さんと「心配」
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