※パロディ注意。
メフィストが人間(?)
初めまして、私メフィスト・フェレスと申します。
現在は正十字学園学園長及び祓魔塾塾長という役職に…おや、名誉騎士という称号もありましたね。いやはや肩書きが多すぎて…え?私は正真正銘のニンゲンですよ。失礼ですねえ。
まあそんな事はどうでもいいのですが、私最近恋煩いというものにかかってしまいまして。彼女を見るとだらしなく頬が緩んでしまうのです。…と、失礼。今もそうでした。
『あ、あの、理事長さん…?』
上目遣いで私を見上げる名前さんは学園でバイトとして働いている働き手さんである。
「こんにちは、名前さん」
『あ、こ、こんにちは』
怖ず怖ずと微笑む彼女は今にも連れ去ってしまいたい程に可愛らしい。
「バイトはもう終わりましたか?」
『あ、はい。理事長さんは、何かお仕事ですか?』
「いえ、私は貴女に会いに来たんですよ」
『え…?』
きょとんと首を傾げる名前さんにくつりと笑みが浮かぶ。
柔らかな髪を掬って口づければ、肩を揺らして頬を赤く染めた。…なんだこの可愛すぎる生き物は。
『あ、あの、理事長さ…』
「…そんな顔をしないでください。…抑えられなくなる」
彼女は男というものを知らない。無知で無垢な白い女性だ。
…ああだが、その白を私の色に染め上げたい。そう思ってしまう私は存外悪魔なのだろう。
「…好きですよ、名前さん」
『……?』
ぽつりと呟いた言葉は吹き荒れる風に消えていく。…どうやら、私の恋は前途多難のようだ。
首を傾げる彼女の頬に唇を落とし、また明日と笑みを漏らして私は背を向けた。
トクリトクリと速まっていく鼓動に、何故か嬉しくも感じてしまう自分が居る。
「…これが恋、ですか」
人間50年とは言うが、恋というものも悪くはないと思った。
メフィスト×人間
人間らしさがあまり感じられない…
2012/04/28