※パロディ注意。
カカシがSP。
苗字家、総資産うん十億円。
歴史ある由緒正しいお家は数十代も続く、所謂名家と呼ばれている。
その家の一人娘である私は、幼い頃から数えられないくらい誘拐などの事件に巻き込まれてきた。
「名前様、朝のお食事のお時間です」
『…今行く』
これで何十人目かのSP(執事ともいう)はたけカカシは、今までのポンコツたちとは違い雇ってから半年は経っている。(前のSPたちはもって一ヶ月だった)
…この男はなかなかのやり手だ。まあ私が気に入ってるというのもあるが。
「どうかしましたか?そんなに見つめられると流石に照れますよ」
『ちょっと頬染めないで気持ち悪い』
「……」
途端にひくりと引き攣った顔に少し吹き出しそうになる。ああいけないいけない。
「…つれないね、名前」
『カカシが敬語使うからじゃない』
「しょうがないでしょうよ。誰か居るかもしれないんだから」
服のボタンを器用に外しながら苦笑するカカシにぷいとそっぽを向く。
「名前?…ごめーんね」
『……許して欲しい?』「うん」
じゃあ、わかるよね?と目の前で跪くカカシに問い掛ければ、子犬のような顔はたちまち男の顔になる。
「…まったく、根っからのお嬢様だね。名前は」
『ふふっ、そんなお嬢様に惚れたのはどこのSPさんかしら?』
「…オレ、だね」
ガシガシと頭を掻いて、参りましたと呟くカカシ。
…まあ、私もそんな事言えないけど。
「…名前、顔上げて」
『ん…』
ソッと見上げる先には、妖艶に笑むカカシの唇。
頬に優しく触れられる手に、近づいてくる整った顔とふわふわの銀髪。
「ちょっとムカついたから、激しくするよ」
『え…?ちょ、ま…ぅんっ!』
にんまりと弧を描いた唇に静止を掛けるも既に遅し。
吐息すらも奪われそうな口づけが、油断していた私に容赦なく襲い掛かる。
『んは、ぁ…っ、ちゅる…』
「……っ、ん…」
ぬるりと口内を蠢く生暖かい舌。
懸命に絡ませようと追い掛ければ小さくカカシが笑った気がした。
『は、ぁん…』
ちゅ、という小さなリップ音と共に名残惜しくも唇が離れる。
お互いを繋ぐ銀の糸は、ゆっくりと切れていった。
『ふ…』
「…腰、抜けちゃった?」
『……カカシの、ばか…』
はあはあと肩で息をする私にまだまだ余裕な笑みを浮かべるカカシ。
「ああでも、名前の所為だからね」
『…え?』
何が?と聞く前に私の視界にはカカシが映っていない。
『あ…っ、カカシ…何して…!』
「…んー?」
いつの間にか私の首筋に顔を埋めていたカカシはぺろりと胸元を舐める。
びくりと震えた身体に気を良くしたのか、カカシは私の肩をトンと押した。
『きゃ…!』
ポスンと簡単に沈む私の身体。そして視界の先にある天井と厭らしく笑うカカシの姿。
『ち、ちょっとカカシ!?何してんのよ!』
「名前を頂こうかなと思って」
『は…!?』
「こんな激しいキスしといて、オレが我慢出来るとでも?」
『……』
…そんなの、カカシが勝手にしたんじゃない。
そう言ってやりたいけど、しゅるりとネクタイを外して着崩すカカシが本当にかっこよくて。
『……SP、失格ね』
「お互い様でしょ?…下剋上って…案外燃えるかもね」
『…ヘンタイ』
目の前で変態発言をする男を睨みつけてやる。
…だけど、その言葉にズクリと芯が疼き出す私も相当の変態なのだろう。
『…いつか絶対、解雇してやるんだから』
そんな言葉も、今だけの強がり。
惚れた弱みっていうのは、こういう事を言うのかもしれない。
カカシ×SP
…SPらしさ皆無ゥ…!
2012/03/16