「名前…」
ベッドに押し倒されて、深い口づけを交わしたのはほんの数分前。
余裕のない男の目をした柔造さんに、私はえ?え?と疑問符を浮かべるしかない。
…あれこれもしかしなくても頂かれます?
「…も、我慢できひん」
…はいきましたフラグゥ!間違いなく食べられるなオイ。
『…っ、あ、っ』
うきゃああ色っぽ!まさか自分の口からこんな声が出るなんて…ってそんな事言ってる場合じゃねえ!
や、柔造さんに求められるのはすごい嬉しいけど…
『や…っ、まって、柔造さ……んうっ』
「待てへん。こんなんで我慢出来たら…こない夜這いみたいな真似、する訳ないやろ」
『ひゃ…』
耳に舌を這わせる柔造さんに肩が跳ねる。
…そう、寝ていた私に柔造さんは襲いかかってきたのだ。(いい意味で)
付き合って約半年、こういう行為を拒否してきた私に、彼は我慢の限界だったらしい。ああ優越感!
『んっ、あ…』
「…耳、弱いな」
低く囁く声に身体が震える。…ああでも私は処女なんですハジメテなんです。
だからめっちゃ恐いんだよおおお。…それに、
『や、やぁ…っ、ひゃ…!』
あの私、ノーブラノーパンなんですけど。
…や、人ってそれぞれ癖とかあるでしょ?それとおんなじな訳で。
まさか今日に限って柔造さんがそうくるとは思わず…浴衣を簡単に羽織っているだけで寝ていたのだ。さて、どうする私。
「…名前、脱がすえ」
あー!待って!待って!私今ノーブラノーパ「……」……遅かった。
ぷるんと外気に晒されるマイボディ。そしてそれをガン見するマイダーリン。
…あああ終わった。さよならグッバイ売れ残りの印と青春よ。
「お前……なんや、案外胸でかいんやな」
『…へ?』
「ん?なに驚いて…ああ、ノーブラいう事か。別に浴衣やと締めつけられるらしいから付けへんでも大丈夫やて」
逆に寝る時は付けへん方が多いやしいんやと。と、笑いながらも親切に教えてくれた柔造さん。
…え、あ、そうなんデスカ?
「はは、かいらしいな名前は。ほんま……愛しとるよ」
『…!』
へらりと優しげに微笑むこの人に、胸がドキンと跳ねる。
…あ、やばい。私この人に…抱かれたい。
『……』
…お父さん、お母さん。親不孝な私を許してください。
名前は今日、女になります。
『…柔造、さん』
「ん?」
『や、さしく…して、ください…』
ぎゅう、と男らしい骨張った手を胸に乗せてそう呟く。
途端にするりと頬に指が這わされて、目の前には余裕なく苦笑する柔造さんが。
「……覚悟しとき」
その言葉と共に、優しく深く、口づけられた。
(やばい私今、すごいしあわ………あ、)
…すいませんひとつ質問いいですか。
寝る時のノーブラは許されても、下がノーパンだった場合…私は一体どうしたらいいのでしょうか。
ヘルプミー!
ああああしくったアアアア…!!
(じゅ、ぞさ…まって、)
(待たへん。煽ったんはお前なんやからな。…優しく、したるから)
((パンツ穿かせてエエエ…!))
なんかごめんなさい(^^)でも楽しい…!葛藤だね(笑)
2012/01/28