Lover's Letter | ナノ




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真田くんに告白された時、一番最初に頭に浮かんだのは蓮二くんの顔だった。
好きだと気づいたのは、きっとずっと前だと思う。変わらないと思っていた真田くんへの想いを、彼が変えた。そしていつの間にか、好きになっていた。

考えたら、蓮二くんは一度クラスに来てから以降も以前も教室を訪れた事はない。仁王くんを訪ねた時だって、一度視線を送られただけだった。その後にすぐメールが来たから深くは考えなかったけど。
わたしたちが会うのは、決まってお昼休みと誰も居なくなった放課後だった。…きっと蓮二くんはわかっていたんだ。わたしが間違いで告白した事を言い出せないでいることも。付き合っている事を悟られないよう、会うのを最小限にしてくれていたんだって。だから図書室で真田くんと会った日も、わたしを苗字で呼んだんだ。真田くんに、誤解されないように。

わたしはいつだって、蓮二くんに護られていたんだ。



『……っ、』



弱いな、わたしは。今傷ついているのは蓮二くんなのに。どうしても、涙が堪えきれない。好きがこんなにも胸を抉る感情だったなんて、知らなかった。

…明日、全てを話そう。呆れられるかもしれないけど、自分の気持ちをはっきり伝えたい。ごめんねって、謝りたい。…そしてもう一度。



『はやく、明日になれ』



あなたに好きって、伝えたい。


 


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