Lover's Letter | ナノ




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初めて自分で掛けた電話は、繋がらなかった。メールをしても、返事はない。多分電源を切っているんだろうとベッドに横になりながら考えた。
蓮二くんの家へ行こうと思ったけど、わたしは送られてばかりで蓮二くんの家には行った事がなかった。仁王くんに聞こうとも思ったけど、この問題は誰も巻き込んじゃいけないと押し留まった。



『どうしよう…』



連絡手段もなく、家もわからない今、誤解の解きようがない。明日は休みだけど、大会の近いテニス部はきっと練習があるだろう。そんな中にわたしが行っても、迷惑になるだけだ。



『……』



ふと過った案に、身体が勝手に動いていた。机の横の引き出しを開け、便箋と封筒を出して、わたしはいつの間にか机に向かっていた。



もう一度、彼に書こう。



彼だけを考えて、彼だけを想って、もう一度…告白しよう。
白の便箋じゃない、淡い色の和紙で出来た便箋にペンを滑らせる。真田くん宛ての他に私用で買った、わたしの趣味だけど。今頭にあるのは蓮二くんだけ。



わたしはただ、早く月曜日になって欲しいと願いながら、ペンを持つ手に力を込めた。


 


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