Lover's Letter | ナノ




16



どうすればいいんだろう。その言葉ばかりが頭の中で反響する。
はあ、と溜め息を吐いたら目敏い仁王くんがシャープペンでつんつんとわたしを呼んで小さな声で話しかけてきた。ちなみに今は数学の時間だ。



溜め息ばっか吐いとると幸せ逃げるぜよ。

もう逃げてるからいいの。

…なんじゃなまえ、反抗期か?

仁王くんだけにね。

可愛くないのう。

ありがとう。



ぷいっとそっぽを向くと、流石にカチンときたのか仁王くんはまたシャープペンでわたしをつついてきた。けど、その前に先生に当てられてた。笑ってやった。そしたらなんかホッとした顔になるから、ああ心配させてたんだなってわたしはそこでやっと気づいた。



『…ごめんね、』



呟くと、仁王くんは先生の隙をみてわたしの頭を優しく撫でてくれた。


 


|

[back]

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -