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一番最初に感じたのは、罪悪感。
「…おうおうなまえ、今日はまた一段と沈んどるのー」
『……におくん、』
「うん?」
『…わたし、最悪なおんなかも』
「……」
朝練が終わって登校してきた仁王くんが机に鞄を置きながら声をかけてくる。伏すわたしの頭をぽんぽんと撫でてどうした?と聞いてくる仁王くんは本当に優しい。好き。
『…昨日、ね、お昼食べたの』
「ああ、そう言えばそうじゃったな。まーくん早退してたけえのう」
『…まーくんのあほ』
「酷いナリ」
うそだあ絶対そんな事思ってないでしょ。思っとる思っとる。あーまーくん泣いちゃう。…泣けばいいのに。なまえ荒れちょるのう。なんてぐちぐち言ってたら先生が入ってきて結局本題にはいけなかった。
大人しく席に着く仁王くんを横目に見ると、口パクで「今日の昼は先約じゃな」と笑った。仁王くんにいちごみるくをあげようと思います。