不謹慎だけど、この目があって良かったと思った。
「なまえー?できた?」
にやつく口元を押さえながら愛しい彼女の名前を呼ぶ。
すると少しの間の後、泣きそうな表情したなまえが身体にシーツを巻き付けて出てきた。
「……」
「…なまえ?シーツ、取って」
「…〜〜!」
頬を赤らめて恥ずかしそうに目を逸らすなまえは今すぐにでも押し倒したいぐらいに可愛い。…でも、やっぱり約束は聞いて貰わないとね。
「勝負に負けたのはなまえでしょ?」
「だ、だってあれはカカシが写輪眼使ったから…!」
「言い訳、するんだ」
「…う、」
にこりと笑みを浮かべてやれば、負けず嫌いな彼女は唇を尖らせながら俯く。
勝負というのは単に遊びだった訳だけど、負けたら何でもお願いできるって言ったのはなまえなんだから。そんなオイシイ勝負…写輪眼を使わずしてどうするのよ。
「だ、だからって、何でこんな服あるの…!?」
するりと身体から離れたシーツが小さな音を立てて床へと落ちる。露になったなまえの姿に、頬が綻んだ気がした。
「すごい、似合うじゃない」
「う、嬉しくない…!」
バッと勢いよく顔を手で覆うなまえは、膝上まである黒地丈のスカートに白のフリルが付いたエプロン…所謂メイド姿をしていた。
「いやー…想像以上だな」
「……何でメイドなの…」
「ん?なまえに似合うと思ったからに決まってるじゃない」
そうじゃなきゃわざわざオーダーメイドしないよ。…財布の中身空っぽだしね。
「…ほら、」
沈み掛かる気分を晴らそうとなまえの腕を引いて膝の上へと座らせる。
突然の事に驚いたのか、目を丸くするなまえが視界に映った。
「…か、かし…」
「…んー、オレとしてはご主人様って言って欲しいところだけど」
「言う訳ないじゃない!」
あ、やっぱり?
耳元で「バカ!」と騒ぐなまえに笑いながら露になる足に手を這わせる。びくりと跳ねた身体が可愛くて、耳元に舌を捩じ込めばなまえの口からは小さく吐息が漏れた。
「や、ぁ…ん、」
「…可愛いよ、なまえ」
はぁ、と吐かれる息に熱くなる体温がオレを追い込ませる。
トサリとベッドへなまえを押し倒すと、見事にメイド服は乱れていた。
「…悪いメイドさんだね」
ゾクゾクと高ぶる興奮に、背徳感のようなものが自分を犯す。それすらも興奮の材料になるなんて、なまえは知らないだろうけど。
「カカシ…」
「んー?」
とろんと瞳を酔わせたなまえが、オレの唇へ触れるだけのキスをする。大胆なその行動に目を見開いていると、彼女は顔を赤らめてふいとそっぽを向いた。
「…今日だけ、なんだからね」
「……もちろん」
…ま、ハマっちゃったらわかんないけどね。
という言葉はあえて言わないでおこうか。…どうせなまえもこの善さにわかるだろうし。
そんな事を考えながら、とりあえずオレはどうやってなまえにご主人様と言わせようか思考を巡らせた。
限りなく興奮する忍者
2012/02/06
2013/02/07 加筆