愛玩ベイビー | ナノ

着いて来い。
どこか不機嫌な声色で腕を掴まれて、空き部屋へと連れて来られたのはほんの少し前。今の私には、どうしてこんな事になってるのか全然わからない。


「りゅ、りゅうじく…ひぁあっ、やぁ…!」
「いや?全然いやには見えへんえ。うまそうに銜え込んでほんま…やらしいなあなまえ」


くちゅ、ぐちゅ、ちゅぶ、厭らしい水音が私達以外に誰も居ない部屋に響いて鼓膜を犯す。手を竜士くんのネクタイで縛られて、床に跨ぐように押し倒す竜士くんは口元に笑みを浮かべながら私のナカに指を突き立てている。


「ひぅああっ、あんっ」
「気持ちええんやろ?なまえは淫乱やから俺一人で満足出来へんのとちゃうか?…なんなら、さっきの二人でも呼んだろか」


低くなった声色にびく、と肩が跳ねる。何でさっきの人達が出てくるの、とか、何でそんなに怒ってるの、とか、そんな事ばかりが頭を回って、無性に泣きたくなった。


今日は正十字学園の学園祭で、私と竜士くんのクラスはメイド&執事喫茶をやる事になった。もちろん、メイド服なんて恥ずかしいし、客寄せもやらなくちゃいけなかったから、嫌だなあなんて思っても接客はちゃんとやってたつもりで。ただやっぱりこういう格好だからいやに目立つのは当たり前だったけど、今思えば私も浅はかだったと思う。客寄せに2、3年生の階に足を運んだのがいけなかったんだ。
突然男の人二人に話し掛けられ、良かったらお願いしますと持っていたチラシを手渡して、すぐにその場を立ち去ろうとしたのだけれど。「へーメイド喫茶?こんな可愛いメイドさんいんの?」「君可愛いよね。1年生?背もちっさくて可愛いし」「髪の毛もさらさらじゃん。あ、顔赤くね?かっわいー」「え…ちょ…やめてください!」みたいな会話が続いて、いつの間にか肩は抱かれてるしいろいろ触られるしで怖くて何も出来ないでいた時、後ろからぐいっと腕を引かれて。「…お前ら俺の彼女に何しとるんや」そう言って私を助けてくれた竜士くんは、本当にかっこよかった。…けど、男の人達が逃げて行ったのを見た後に目も合わせずただ「着いて来い」と言う竜士くんに、こんな事をされるとは思いもしなかった。


「…考え事か?随分余裕があるんやなあなまえ」


ハッとした瞬間、それはもう遅くて。竜士くんは私のナカから指を引き抜いてテラテラと光るそれを厭らしく舐め取ってからカチャカチャとズボンのベルトを外した。


「りゅ、じく…待っ」
「待たへん」


ず、ちゅうう…
生々しい音が鼓膜に直接響いて、異物が入り込んでくる感覚。あ、あ、とはしたなく声を上げる私にお構い無く竜士くんは腰を打ち付けてくる。


「ゃああっ、ひぁ、あ、あああっ」
「っ、なまえ…なまえっ」
「りゅうじく、んんぁあっ」


ぱちゅ、ずちゅん、荒々しく打ち付けられるそれが抉るように肉を犯していく。いつもしてる事なのに、どうしてか心は切なくて、うっすらと涙の膜が張る。それを見た竜士くんは、くそ、と舌打ち混じりに声を上げた。


「……しっ、と、したんやっ」
「ふ、あっ、あっ…えっ、しっ…とっ?」
「なまえがっ、俺以外の男に触れられて…嫉妬せん程俺はっ大人やない…っ」


は、と荒く息を吐きながらそう言った竜士くんは、どこか顔が赤くて照れているように見える。


「せやから…っ、」
「竜士、く…いいっよ、私こそ、ごめ…っ、…どうしよ、なん、かっ、うれし…っ」
「っアホ!急に締め…っあっ、」
「ぁあっ、ひぁああんっ」


きゅううと痙攣するナカに竜士くんは小さくうめき声を上げて、私は一際ナカに押し込まれた竜士くんのに大きく喘いで二人とも果てた。


「……は、」

「………今思ったけど、此処学校やった、な…」
「…竜士くんのせいだよ?」
「な…っ、……すまん」


さっきまでの竜士くんは何処へやら。すっかりしょんぼりとしてしまった彼にくすくすと笑いながら、嘘だよ、と呟いてみる。とりあえずクラスのみんなへの言い訳は考えてね?なんて言いながら、すっかり汚れてしまったメイド服に私は静かに謝った。


「(でも、着たままって…すごいかも)」



…此処学校だよ、



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白滝さまからのリクエストでした!
メイド服が全然生かせず不完全燃焼ですすみません…!
では、ネタ提供ありがとうございました!



2013/02/26
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