愛玩ベイビー | ナノ

ぎしり、とベッドが軋む音が嫌に耳にこびりつく。目の前で薄く笑みを浮かべている人はするりとその大きな手を私の太ももへと滑り込ませて厭らしく撫で回している。そのくすぐったさに軽く身を捩りながら、ちょっとした反抗を示すために睨み付けてやれば、くくっと可笑しそうに笑われた。


「な、に、笑ってるんですか」
「…いや、なんつーか…イケナイ事してるみてえだと思ってな」
「……」
「冗談だ。なかなか似合ってるぜ?なまえ」


…嬉しくない。非常に。
こんなふりふりな上半身と短いスカートとやらを来て、生足を晒す事となった経緯は私の目の前でニヤニヤと笑う阿近さんを見ればすぐにわかるだろう。何がなまえに似合いそうだから買ってきた、よ。一瞬でもときめいた私を今すぐ返して欲しいところだ。


「…っ、ちょっと、阿近…さんっ」
「ん?」
「ん、じゃないです…!どこ触って…あっ」
「どこって…胸?」


いつの間に押し倒されていたのか、既に太ももを這い回っていた手は胸をふにふにと揉んでいて、もう一方の手は下半身を刺激していた。


「っ、ひぅ…ゃ、ぁあっ!」
「…いつもより感度いいな。なまえも期待してたって事か?可愛いとこあるじゃねえか」
「ち、ちが…ひぁあっ」


耳を甘噛みしながら囁く阿近さんは本当に意地が悪い。私がこの服を着た瞬間からこうすることを最初から企んでたんだ。
ちゅ、くちゅ…ぐちゅ、と聞こえる卑猥な音に顔が熱くなる。恥ずかしい、視界が薄い膜に覆われて、頭がぼんやり、する。


「ぁっ、ああっひあああっ」
「…イクか?」
「やぁっあこ、さん…っ、い、イっちゃ…!ひぁあぅっ」
「いいぜ、イケよ」


ずぷ、と一際奥に突き刺された指を締め付けて、私は大きく身体を跳ねさせながら絶頂を迎えた。
は、と息を整える暇もなく事に及ぼうとする阿近さんの腕を急いで掴んで待ってと制止をかける。このやろう…私を殺す気なのか。


「ち、ちょっと待って阿近さん!まだ私…」
「あ?…っておい、なに服脱ごうとしてやがる」


ギラリと光った目にびくりと肩が跳ねた。え、私今だめな事してるの?ちょっとだけソノ気にさせられてしまったから汚れた服脱ごうとしてるんだけど…


「メイドプレイってのは着たままヤっから楽しいんだろーが」
「………」
「あ、あと今からは俺の事ご主人様って呼べよ。そうしねえと突っ込まねえから」


嬉々としながら私の足を広げ、メイドプレイとやらの醍醐味を語る阿近さんに私のソノ気はとうに失せ、彼の勃ち上がったあそこを渾身の蹴りが襲ったのは言うまでもない。


「死んでください、切実に」



意外とノリノリ



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翡翠さまからのリクエストでした!
途中から阿近さんがおかしくなってしまいごめんなさい…
メイド服を生かしきれず力不足ですorz
では、ネタ提供ありがとうございました!



2013/02/26
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