…さて、私は今なにをしているのでしょう。
「あ、あの、晋助さま…?」
「何だ、なまえ」
ギシリと鳴るベッドはついさっきまでそういう行為に使っていた場所。服が乱れたままの私は身動きが取れないでいる。それは何故かというと。
「縛られて感じてんのか?」
くつくつと喉の奥で笑うこの人が言う通り、私は後ろ手で縛られているからだ。ちなみに目も見えていない。身体のだるさに気を失っていた間、私は晋助さまにいろいろと悪戯されていたらしい。
「ちょ、晋助さま!前見えないです!腕も痛いです!」
「当たり前だろうが。簡単に外れちまったら面白くねェだろ」
「や…っ、んう!」
近くまで気配が寄って、開こうとしていた唇を徐に塞がれる。ねとりとした舌が執拗に口内を犯す。
「ふぁ…ん、」
「クッ…気持ち良さそうじゃねェか。お前ェもまだ満足してねェんだろ?」
「なっ、そんな事な…ひゃああ!」
乱れたスカートの中でいつの間にか手が這い回る。びくりと身体を震わせれば晋助さまが笑った気がした。
「悪いメイドじゃねェか。…なァ、なまえ」
「……っ、ん、ぁっ」
誰のせいで…!そう言っても私の反抗は最早意味がない。この人に私はメイドとして雇われているから、言わばこれが私の仕事と化している。逆らうなんて事をした日には一日掛けてじっくりといじめられてしまうだろう。…前はそうだった。
「んぁ、あ、っ」
決して直には触れない指先がもどかしい。視界は見えず動く事さえままならない中で、聞こえるのは自分のはしたない喘ぎ声と頭上からの厭らしい笑み。
「…腰が揺れてるぜ?なまえ」
「や、いじ、わる…っ」
わかってるくせに触れてくれない。ぺろりと耳を舐められてまた声が上擦る。目が見えないからか、いつもより感じやすい。
「晋助、さま…っ」
「ん?」
「も、う…」
触って。小さく呟いた私の言葉にぴくりと這い回っていた手が止まる。そして少しの間のあと、ぐちゅり、音を立ててナカへと指が侵入した。
「ひぁ、あっ、んあああっ」
ずちゅ、ぐちゅん、と生々しい音が部屋に反響する。ずり下げられた服の隙間から舌が這って、胸を犯していく。
「ん、ふぅ、ああっ」
ハァ、と色っぽい吐息がすぐそこで聞こえてとくりと胸を鳴らす。しゅる…小さく音を立てながら目を覆っていた布が取り払われた。
「…なまえ」
「……ん、」
隻眼を細めて唇に優しい口づけが落とされる。徐々に深くなっていくそれに、私は目を細めながら酔いしれた。
「好きだ、なまえ」
愛してる。そう低く囁かれて額へ頬へ熱が落とされていく。縛られているから抱き締める事は出来ないけど、精一杯摺り寄って私もです、とだけ呟いた。
再開される行為がどんどん深まっていって、私を追い込んでいく。皺になるであろう服に苦笑しつつ、愛らしい恋人に私はひっそりと笑みを溢すのだ。
テロリストと愛あるプレイ
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山桜乙女さまからのリクエストでした!
目隠しに便乗して縛ってみましたが如何だったでしょうか…!
では、ネタ提供ありがとうございました!
2012/04/15
2013/02/09 加筆