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▼ Azalea / アザレア : あなたに愛される幸せ 1/3



段ボールに囲まれた、何とも色気のないこの部屋で私を見下ろす彼の瞳に見つめられただけで、私の瞳にはじんわりと涙が滲む。彼の優しい瞳が夢のようで、それでも夢じゃないとしっかりわかっているから、余計に。


「ったくよォ。泣き虫だな、お前は」

「…だって」


呆れたように笑う銀時に、私の視界はさらに歪んだ。静かに私の目尻にキスを落とす。そして、額、頬、鼻の頭。最後に、唇に優しく触れた。


「…なまえ、好き」


そう低く小さく零す銀時に堪らなくなって、私はその頬に手を伸ばし、引き寄せて唇を重ねた。少し驚いたような表情をした銀時もすぐに私の唇を啄ばむ。柔らかい彼の唇が、何度も私の唇に吸い付いた。控えめに舌を割り入れて、彼の舌を探し当てると、銀時は私の頭を押さえつけて私の舌を追い回した。息もできないほど、濃厚で熱い彼の舌に口内を犯されて、私は口内さえも性感帯になったのかと思うほど、身体中が熱に火照ってしまう。ようやく離された口からは、互いに短い息が溢れる。


「…は、…っ」

「あーもう、…何その顔。こんなんでんーな顔してたら、お前この後どうなっちゃうの、死んじゃうんじゃないの」

「…死にたくないです、…こんなに幸せなのに」


冗談だとわかっているのに、そんな本心が口をついて出てしまう。私の言葉に銀時の目元は緩く下がって、ゆっくりと私の着物を剥いでいく。一糸纏わぬ姿になった私を見下ろすと、銀時も自身の着流しを脱ぎ捨てて、また私に覆いかぶさり小さくキスをした。そしてその優しいキスは、首筋、鎖骨に移動して、膨らみへとたどり着いた。


「この前、…痛かったよな、ごめんな。今日は優しくするから、な」


必死に首を横に振る私に、銀時は構わず膨らみに指を這わす。もどかしいその動きに、私の身体はふるふると小さく震えた。膨らみを包み込んだ大きな手が、柔らかく私の膨らみの形を変える。小さく吐息が漏れたところで、彼は空いた片方へと舌を這わした。


「…あっ!」

「なァ、すげー勃ってるんだけど、コレ。期待してたの?」

「…や、…あッ!」


銀時はそんな意地悪なセリフを吐いて、くいっと親指で主張した頂きを突いた。思わず上げてしまった声を隠すように両手で口を覆うと、銀時はニヤリと笑ってみせた。そしてその口はその頂きに触れる。ペロリと舌で舐められると、身体は大きく震えた、片手は膨らみを揉みながら、指で捏ねくりますように頂きを苛める。絶え間なく私を襲う快感の波に、私は必死に抗うように、口元を押さえ続けた。


「…っん…はぁ…ぁ」

「…我慢しねーで、聞かせろよ、声」

「やぁッ、…そこで、喋っちゃ…ぁあっ」


もう触れることのないと思っていた、その大きな手の平。もう聞けることのないと思っていた、そこ低い声。もう見えることのないと思っていた、その瞳。全てが優しくて、それがまた私の胸を苦しくさせる。与えられる快感を素直に受け止めて、私は高く声を上げた。銀時は絶えず私の弱い部分を刺激して、その反応を楽しんでいるように見える。


「あ、…ぁあ!だめ…はぁッ…あ」

「…あー、もう本当、可愛い。何なのお前は」


銀時は頂きを口に含みながら、膨らみを揉みしだいていた手の平がゆっくり這うように、下腹部へと向かう。思わず閉じてしまった足を割り開いて、先ほどから熱を帯びているそこを、そっと一撫でした。


「…あっ!」

「すんげーことになってんだけど、ここ」

「…は、…ッ、あぁ!」


ぎゅっと指で腫れた蕾を押されると、私の身体は大袈裟に跳ね上がった。長い指が中を掻き分けてゆっくり奥へと侵入する。ぐっしょりと濡れたそこは、いとも簡単に銀時の指を飲み込んだ。


「なァ、そんなにイイの?こんなんなっちゃうほど?」

「あっ…銀時、さ…いや、…いじわる、…ふぁッ…」

「あー、そうだったな。優しくするったもんな」


胸から離れて下腹部へと移動した銀時は、外の指で蕾を撫でながら、差し込んだ指を何度も屈折させて私の中を刺激する。私はその度、涙を零しながら嬌声をあげた。もう、何も考えられない。銀時から与えられる快感、銀時から感じる温もり、全てが私をおかしくさせる。こんな気持ちにさせるのは、後にも先にも、きっと彼だけ。銀時だけが、私をおかしくさせるのだ。


「やぁあ!ぎ、…さぁ、いやッ、もぉだめッ…!!」

「…イけよ、見ててやるから、…な?」

「あっ…あぁ!んぁあッ…!」

「もっと、その顔見せて」

「……ッあ!あ、あっ、いぁああっ!!」


絶頂を迎えた私を見届けても、銀時は一向にその指を止めようとはしない。あろうことか蕾を口に含んで、愛撫を続けた。一度達したそこは、とてつもなく敏感で。嫌々と首を振っても、止めてはくれない。中をかき乱されて、執拗に蕾を甘噛みされたところで、私はまた絶頂を迎えた。





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