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▼ Petunia / ペチュニア : 心の安らぎ 1/2



あの時の俺は、きっと冷静じゃなかった。
それは彼女も同じだったと思う。
その手を掴み、諭すことができたら。
「楽しみは後にとっておくタイプなんだよ」なんて笑うことが出来たら。

…俺たちの未来は、もう少し明るかったかも知んねーな。

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「ぱっつぁーん」

「何ですか?」

「ぱっっっつぁーん」

「…何ですか?」

「ぱ…」

「いいから掃除手伝えよ!!!!」


三角巾をかぶった新八はほうき片手に眉を吊り上げ、俺に大声を上げた。生憎神楽は定春の散歩に出かけていて、このメガネと二人きりの万事屋。暇を持て余していた俺は、ジャンプ片手にソファで寝転がっていた。


「あー暇だなァ、昼寝でもすっかな〜」

「いやだから、掃除」

「あーパッとしねェなぁー」

「また神楽ちゃんに、マダオって言われますよ」


ゴロゴロと寝転がる俺を尻目に、掃除を再開する新八は心底呆れたような顔をしている。何でうちには怪力娘とダメガネしかいねぇんだ。新しい従業員でも入んねーかなァ。ボンキュボンの姉ちゃんに叱咤され、た、い…な?
そして、俺は思い出したように起き上がり、玄関に向かった。


「銀さん、どこ行くんですか?」

「ん、ちょっと野暮用を思い出してな」

「…野暮用…?」


完全に疑いの眼差しを向ける新八に、ぐっと親指を立ててウィンクをすると、メガネはげっそりとした顔で溜め息をついた。


「…花屋ですね?」

「えっ!?!?ちょ、ま、えッ?!!!」


新八の突然の読心術披露に、俺は思わず後ずさってしまった。ジト目を向ける新八に、俺は引き攣った顔で慌てふためいた。


「なん、なん、なんで?!」

「顔がデレデレしてるんですよ!本当にわかりやすいんだから」

「だってよォ、新八くん。あの子メチャメチャ可愛くねェ?」

「確かになまえさんは美人だし、気立てもいいですけど…とてもじゃないですけど、銀さんにはもったいないですよ」


っせーよ、と悪態をついて万事屋を後にする。やれやれ、なんて呆れた新八の声が聞こえた気がしたが、聞こえねェフリだ。




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